雇用の規制緩和は、見送りに(国家戦略特区)
厚生労働省は、専門職で働く時間ではなく、成果に対して賃金を支払う「ホワイトカラーエグゼンプション」の制度案をまとめ、対象年収は、1075万円以上としました。また、過労を防ぐため、本人の同意とともに労使が次のいずれかを選ぶことが必要となります。
①年間104日以上の休日、
②1か月間の在社時間の上限、
③就業から翌日までに一定時間の休息
また、在社時間等が基準を超えた場合には、医師の面接も義務付けるとのことです。
職種に関しては、金融ディーラー、システムエンジニアなどを想定していますが、具体的な職種は、今後省令で定められます。
対象者に対しては、残業代、休日労働手当、深夜労働手当の支払いをしなくても良くなります。政府は、この労働基準法を改正し、2016年度から施行させたい意向です。
雇用の規制緩和の第1歩
経営者サイドは、年収900万円以上の管理職手前(いわゆる係長クラス)の社員を想定していましたが、導入できる職種、年収ともにハードルが上がりました。また、中小企業においては、対象者は皆無でしょうから、影響は全くと言って無いでしょう。それでも、雇用の規制緩和の第一歩ではあります。今後、導入が上手く行って、大きな問題が無ければ、職種、年収のハードルを下げることもあるでしょう。実際に下げないと、ほとんど対象者がおらず、あっても使えない法律になってしまいます。