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コラム
同僚間でもパワハラはあります。対策は大丈夫でしょうか?
2013年12月2日
パワーハラスメント(パワハラ)と言うと、上司や先輩がその立場を利用して力による嫌がらせを行うことと思っている方が多いのではないでしょうか。いやいや、同僚や部下からのパワハラもあるのです。パワハラについて解説したいと思います。
セクシャルハラスメント(セクハラ)については、男女雇用機会均等法で定義されていますが、パワハラについては、法律による定義がありません。そもそもパワハラが大いに問題になりだしたのは、2010年6月に労基署より労災認定を受けた下記事案からです。
{建設会社で営業担当の男性従業員が、2005年3月マンション建設の請負契約を施主と締結したが、工事代金が予定より3,000万円超過。上司は「おまえが払わないなら、関係者全員が解雇される」などと言い、男性から360万円支払う旨の覚え書きにサインをさせた。男性は払えずにうつ病を発し、2007年10月に自殺し、遺族が自殺について労災認定を求めていた。。}
平成24年1月30日にパワハラの定義づけがされる
この事案より、パワハラ相談が増え、厚生労働省としても対策を構築すべく、平成24年1月30日、厚生労働省職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告にてパワハラの定義づけがなされました。ですからつい最近のことです。内容は下記の通りです。
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性(※)を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。」 ※上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれる。
この定義だけですと抽象的で分かりにくいすが、更に具体的な例として下記の6つの行為を上げています。
① 暴行・傷害(身体的な攻撃)
② 脅迫、名誉毀損、侮辱、ひどい暴言(精神的な攻撃)
③ 隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
④ 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
⑤ 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
⑥ 私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)
{同僚・部下からのパワハラってどんなこと?}
上記定義にもあるとおり、職場内の優位性とは同僚・部下も含まれるとあります。例えば、具体的な行為③に当てはまりますが、異動してきた新任の課長に部下皆で指示・命令を無視する、②に当てはまりますが、同僚に対して「お前みたいな3流大学出てる人間に何が分かる!」などの発言をする、⑥に当てはまりますがFacebookで同僚に友達申請してあれこれ干渉する、などの行為が該当します。自分は一番下だからパワハラはされる側でする側に回ることはない、と思わないようにして下さい。大いに加害者側になってしまうことが考えられます。
パワハラのない快適な職場を作るために
パワハラは、被害者においては精神的苦痛により精神疾患になり職場離脱を余儀なくされたり、企業においてはそれにより不利益を被りますし、ましてや安全配慮義務(快適な職場を提供しなければならない)違反として被害者から損害賠償される可能性があります。また加害者においても、被害者からの損害賠償、会社から懲戒処分を受けるなどの制裁がある可能性が大です。被害者、企業、加害者、3者とも全く得をすることがありません。ですから、そもそもパワハラなどを起こさせない職場環境を作ることが大事です。そのためには、下記の対策が必要です。
① パワハラがあってはならない方針の明確化と周知・啓発を行うこと
→ 就業規則の服務規律などでパワハラの定義、あってはならない旨、更にそのような行為を行うと懲戒処分になることを記載し、それを社内で周知・啓発すること。
② 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備すること
→ あらかじめ相談窓口を設置し、広く相談に応じること。そして適切に対応すること。
③ 起こってしまった場合には、事後の迅速かつ適切な対応をすること
→ 事実確認を迅速且つ正確に行い、実際にパワハラが認められたならば、行為者に対
し必要な懲戒処分その他の措置を講じること。被害者の地位の回復等を行うこと。
④ 再発防止措置の実施
→ 再度、①に戻り、周知・啓発を改めて行うこと。
就業規則の作成・変更、周知のためのセミナーはお任せ下さい。
上記①就業規則の作成・変更、周知のための従業員さんに対するセミナーは、是非お任せ下さい。
また、②の相談窓口として、当事務所を外部窓口としていただくことも可能です。
事務所TEL047-393-6220
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