「限定正社員」について書いた記事が「JIJICO」に掲載されました / 新しい雇用形態
11月10日、NHKの番組で甘利経済再生担当相が、職種や勤務地が限られる「限定正社員」を普及していきたいと発言しました。
職種や勤務地限定「限定正社員」のメリット・デメリットは?
労働者側からのメリットは、介護や子育てなどで転勤が出来ない、ジョブローテーションなどせずに一つの職種でプロとして極めたい、と言った場合それが可能になることです。
これが普通の「正社員」であれば、職種の変更や転勤などがついて回ります。それと、何より期間の定めがある非正規より雇用が安定するということです。
経営者側のメリットは、職種変更、転勤が出来ないことで、その分、「正社員」よりは給与を下げられます。それと大きいのが、業績が低迷した場合、普通の「正社員」では、解雇の前に職種の変更、勤務地の変更をまず行うことで雇用を守る必要がありますが、職種や勤務地が限定されていることで、そもそもその職種が無くなってしまう、事業所を閉鎖して勤務地が無くなってしまう、と言った場合、解雇が容易になります。もちろん、経営者側のメリットは労働者側のデメリットでもあります。
政府の思惑通りに行くか?
政府は「非正規」と「正社員」の中間を作って、何とか、「非正規」が「限定社員」に格上げされ雇用が安定し、非正規雇用を減らしていきたいとの思惑があります。ただ、導入には気を付けないと、逆に「正社員」から格下げで「限定正社員」が増え、「非正規」は変わらない、という懸念もあります。
併せて解雇の規制緩和も必要?
これだけ「非正規」が増え、「正社員」が減少したのは、何よりも上記の通り「正社員」は解雇しにくく、企業が採用に慎重になったことが大きいでしょう。特区では見送りになりましたが、「正社員」に対する解雇規制の緩和も同時に行っていかないと、なかなか「正社員」の雇用も増えていかず、懸念が払拭されないと思われます。
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