平成24年 昇給額、昇給率 : 給与計算 / 市川市 社会保険労務士
65歳継続雇用義務化により、経団連は、中高年を中心とする現役世代の賃金水準を抑える「賃金カーブ」の見直しが必要とする考えを示しました。
以下、産経ニュースより
経団連は11日、平成25年春闘の経営側指針となる「経営労働政策委員会報告」の原案を明らかにした。企業に希望者全員の雇用を義務づける「改正高年齢者雇用安定法」が4月に施行されることから、現役世代の賃金抑制で給与原資を確保する「賃金カーブの全体的な見直し」が必要と位置付けた。年1月に最終案を取りまとめる。
原案は、65歳までの継続雇用の比率が現在の74%から90%に上昇した場合、総賃金額は今後5年間で2%押し上げられると試算。企業の人件費を抑えながら雇用を維持するため、賃金カーブの見直しを求めた。
定期昇給と給与総額引き上げ、賞与・一時金のあり方に関し、原案は、「今後の経済・雇用情勢を踏まえ、最終案で記載する」として空欄のまま。経団連幹部は「今年も昨年と状況は変わらない」とみており、定昇延期や凍結の可能性に言及した昨年の報告を踏襲する見通しだ。
以上、産経ニュース
欧米を中心に給与は「職務給」(あくまで仕事で給与が決まる)に対して、日本は「職能給・実力給」(仕事をしていく上での職務遂行能力で給与が決まる)が中心です。日本は「人」に仕事を付けていくというやり方で、よく言えば「人を大事にする」ということではあります。しかし、この人を大事にする仕組みが、社会として維持できなくなっていることも現実です。正社員の処遇を維持するためにフリーターや派遣を使って格差が生じていることや、新卒の採用抑制などにも見て取れます。そういう意味でもこの賃金カーブの見直しは、致し方ないのかもしれません。今後、日本の賃金は、今回の賃金カーブの見直しから欧米のように「職務給・役割給、成果給」へ向かうのか、それとも「職能給・実力給」を維持していくのか、注意深く見て行きたいと思います。