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松本尚典

年商5億円の壁を突破したい社長のための経営コンサルタント

松本尚典(まつもとよしのり) / 経営コンサルタント

URVグローバルグループ 

コラム

デジタル遷都に学ぶ、企業の有事や災害からの防衛の重要性

2024年1月9日

コラムカテゴリ:ビジネス


1、台湾が取り組む戦略 デジタル遷都とは何か?


今、中国からの軍事的な侵攻が現実化する台湾で、「デジタル遷都」の政策が進められています。

共和党への政権交代が視野に入り、アメリカの孤立主義化が現実味を帯びる中、中国が台湾に向けて軍事侵攻によって台湾統一を図る動きにでる可能性が高まりつつあります。

この時、国としての台湾の存続を左右する要因の一つが、テクノロジーです。

中国の軍事侵攻は、台湾に550か所ある海底ベーブルの陸揚げ局などの、世界と台湾を結ぶ情報通信インフラの破壊から始まると、台湾軍は想定しています。世界と国民との通信手段を失った台湾政府と台湾軍は、侵攻初期の段階で、軍事的な抵抗力を失うことになります。

このような危弱性を前提に、台湾政府が急ぐのが、デジタル遷都政策です。

台湾の進めるデジタル遷都は、次の3段階に分かれています。


1.衛星・海外通信拠点の確保
2.基盤データを海外に保存
3.クラウドで行政機能を続けるソフト開発


2、巨大地震、富士山の大噴火など、「いつか起きる」危機に、企業は備えているか?


この台湾のデジタル遷都は、日本の企業にとっても、他人事だとは思えません。

2023年の元旦に石川県を襲った震度7超の大地震とそれによる津波は、元旦に寛ぐ日本人に、東日本大震災の恐怖を思い起こさせました。太平洋岸を襲う大震災は、いつ起きるかは予想できませんが、2050年までには、ほぼ起きる大災害です。

このような大震災による津波や、連動しておきる富士山の大噴火による火山灰で、東京周辺のデータセンターや、情報通信インフラが打撃を受ける可能性が非常に大きいと予測されています。

台湾が軍事侵攻に備えると同様に、日本は、大災害に備えて、デジタル遷都をする必要があります。そして、これは国家だけの問題ではありません。

東日本大震災では、津波被害などで打撃を受けた企業の中でも、活動拠点を分散させていた企業は、従業員の雇用を守りながら、いち早く企業活動に復帰しました。企業ごとに、これらの復帰の状態に差異が出たのは、活動拠点の分散などの対策ができていたかどうかに差異があったからです。

3、対策は、「食料備蓄」だけではない! 基盤データや通信手段の多様化、クラウドによりバックアップなど、情報の危機対応は、出来ているか?


東日本大震災の後、災害対策として、食料や水の備蓄というレベルでは、大企業では対策が進みました。東京都では、条例で、企業に従業員の3日分の食料や水の備蓄が義務付けられています。

しかし、災害時に、社員が仮に、会社に残って業務を行うことができたとしても、情報通信が機能しなくなれば、会社は、孤立した存在となって、業務が機能停止に陥ります。

特に、クラウドによって、PCが稼働している現在のWindowsのシステムでは、クラウドの拠点のデータセンターが機能しなくなれば、企業の活動は停止してしまいます。

自社のサーバーが動かなくなることも想定しなければなりません。

このような状態に陥ることを想定し、情報のバックアップを、分散させる「企業版デジタル遷都」が必要になります。情報システムや通信体制を、有事や災害を想定して構築しておくことが、そのような場合に、企業活動を止めずに、稼働をし続けられる重要な条件になっているのです。

4、その時も、事業をとめず、収益を上げ続ける企業と、止まって動けなくなる企業の間に、その後の大きな格差が開く


日本を突然襲う大地震や、富士山の大噴火などの自然災害のリスクは、私たちの予測が及ばない事態です。

加えて、2024年の米国の大統領選の行方次第では、米国の内向き姿勢が鮮明となり、台湾への中国の軍事侵攻に米国が関与せず、それが現実化する可能性すら、絵空事ではなくなってきています。世界のどこに、リスクが発生するか、私たちは予測ができません。

そうであるならば、それに備えておく必要があります。


・有事や災害の際、経営陣への連絡がつかなくなった場合、経営の意思決定は、どのような順序でだれが行うか
・従業員への連絡体制をどうするか、稼働を続けられる従業員で、どう事業を継続するか
・情報通信の拠点を多角化して、地域リスクを分散させるか?
・情報通信の状態を把握し、誰がどのように復旧をするか?
・顧客やクライアントへ、サービスの継続をどう、連絡するか?
・取引業者やパートナーと、どのように連絡をとり、物販の状況を把握し、事業を継続するか?
・社員の通勤や安全性を確保し、どのような体制で業務を継続するか?
・社員が社内で食べる食料や水、トイレが使用できなくなった場合の措置など、検討できているか?


このようなチェックリストで、有事や災害がいつおきても事業が継続できるように備える必要があります。

コロナ禍で明確になったことは、有事でも、政府の公表する方針は、医師会や行政の政治的な意図を含んでおり、緊急事態宣言などの措置も、非常に政治的な圧力に左右されるということです。

コロナ禍では、政府の方針やメディアの扇動に左右されて、もともと体力がないのに、いたずらに休業を長引かせた企業や店舗は、災害後、倒産までしている状態に陥りました。

政府やメディアの政治的な圧力が伴う方針に左右されず、冷静に事業を継続し、受けられる補助金や支援金は、すべて受けてうえで、災害時に更に体力をつけて経営をしていく企業と、いたずらに怯えてすくむ企業との間に、災害後、大きな格差が生まれるのです。

有事や災害は、誰も避けることができず、予測もできませんが、それにいかに萎えていたか、その時、冷静な対応で事業を継続できたか、が、その後、大きなチカラの差を生むのです。

5、事業の海外展開や、収益の外貨獲得による、為替セキュリティも重要


災害という観点だけでなく、日本円の円安や、日本市場の減退に備えることも、セキュリティの一つだと僕は思っています。

URVグローバルグループは、すでに、売上高の90%が円以外の外貨で、海外での売り上げとなっています。そのため、円安が進行したコロナ禍後の中では、円建ての売上高が大きく伸びました。

日本の首都圏を大地震が襲うような事態になれば、首都圏に人口が集中する日本の市場は、甚大な減速をするでしょう。もちろん、それは、海外の特定のエリアも同じです。

したがって、売上の通貨を分散し、市場を分散することは、非常に重要なセキュリティ施策だと僕は考えています。

もちろん、このような海外進出を伴う施策には、時間とアイデア、一定の投資が必要です。
日本に災害が発生してからでは、このようなことはできません。

体力がある今のうちに、災害対策や、セキュリティ対策を、しっかり戦略的に進めておかねばなりませんね。

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