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1、お知らせ
松本尚典が代表取締役を務める株式会社URVグローバルミッションが主催するグローンバル情報サイト アウト・オブ・ジャパンに連載する、国際ビジネス小説頂きにのびる山路 ニューヨークウォール街ビジネス始動編にて、第4話「反撃」 がリライトされました。
2、日本の兜町を、かつて荒らした「仕手」とは?
第4話「反撃」は、プライム上場企業バリューフェスの株式が、ニューヨークの松木陽介の世界に広がる投資銀行やプライベートバンクの口座からから出た資金によって、バリューフェスの主幹事証券会社が気付かないように買い集められます。そして、松木が3%の株式を買い集め終わった後、ウオールストリートジャ-ナルに、バリューフェスが取締会決議をえていない、松木が同社に提案したProjectAと、ProjectBに、同社が進出したという記事がすっぱ抜かれ、同社の株式が、ヒートするという事件から、スタートします。
バリューフェスは、創業者である大井川自身の株と、副社長の坂田を支持する機関投資家によって、80%の株式が保有されている会社と設定されています。つまり、一般の投資家が買える浮動株が20%しかありません。そして、この浮動株のうち、3%を松木が保有するに至っているとすると、浮動株が、17%しかないことになります。このような会社は、売買高が少なく、大きなニュースが出た場合、株価は大きく乱高下しやすい性格を持っています。
バブル期である1980年代まで、日本の証券業界の企業が集まる兜町を荒らした、「仕手」と呼ばれる集団がいました。旧誠備会や、光進グループなどの仕手集団が、浮動株が少ない銘柄を狙って、株価を操縦し、一般の投資家を犠牲にして、大きな利益をあげたのです。
今、日本の証券取引所では、仕手を封じ込める様々な施策を講じているため、仕手集団は、もう日本にはいなくなりました。一方、松木は、日本の金融業界を出身して、アメリカのウオール街に入った人物として描かれており、したがって、松木がバリューフェス株に対してとった手法は、このようなかつての、日本の兜町を荒らした仕手筋の手法とよく似ています。
3、アメリカのウオール街で恐れられる、アクティィビストと、仕手は、どこが違うのか?
仕手戦を仕掛けられたバリューフェスの主幹事証券は、大慌てで、坂田副社長に報告にやってきます。令和時代の証券会社は、仕手戦などを経験したヒトは、もういませんので、それに対する対処法がわからないのです。
しかし、坂田副社長は、山之辺の情報から、松木がバリューフェス株を使って仕手を仕掛けたのではなく、アメリカのウオール街で活躍するアクティビストであり、バリューフェスの株主となって、事業要求をすることが目的であると判断し、松木に会うために、アメリカへ飛びます。
次期社長の最有力候補である坂田副社長は、松木と組むことで、バリューフェスの未来に莫大な利益を齎すビジネスを、ライバルである阿部取締役から奪うとともに、松木が持つ3%の株式議決権の委任状をものにしに、動きます。そして、松木と坂田を繋ぐのは、阿部の部下である、山之辺伸弥。
松木と繋がり、バリューフェスに次々に、海外事業の優良案件を齎す山之辺伸弥を手中に収め、坂田副社長が、大井川社長と阿部取締役の連合軍に、大きな反撃に出ます。
第4話「反撃」で展開される話は、日本の仕手筋と、アメリカのアクティビストという、証券業界の専門的な話をもとに、ストーリーを展開しています。
スタート段階で準主役として描かれた阿部取締役と、悪役として描かれた坂田副社長が、この時点で、反転する、というのが、この小説の、ここまでの醍醐味です。
どうぞ、お楽しみください。
アウト・オブ・ジャパン
国際ビジネス小説 頂きにのびる山路
ニューヨークウォール街ビジネス始動編
第4話「反撃」
https://tsuziseppou.urv-group.com/novel04-04/