有名テレビ番組への出演は、どうしたら可能になるのか
1、消齢化現象とは?
「消齢化」とは、シンクタンクである博報堂生活総合研究所が、1992年から始めた長期的な時系列長調査の結果を、「消齢化社会」という著作にまとめて出版されたことで、提唱をされた概念です。
同研究所の調査結果によれば、これまで日本社会で顕著だった、世代ごとの考え方や生活の仕方に対する考え方の差異が、世代ごとに近似しはじめているとう現象をいうわけです。
例えば、「将来に備える」という考え方と、「今を楽しむ」という考え方は、トレードオフの関係に立ちますが、若者は、今を楽しむことを重視し、中高齢者は将来に備えることを重視するという従来の傾向が、大きく薄れているというわけです。
若者の中にも、不安定な将来に備えた投資に生活費を圧縮して取り組む志向がみられ、一方、中高齢者の中に、今を楽しむ志向が増えているような傾向がみられるわけです。
同研究所が消齢化と表現されている現象は、おそらく、世代や年齢ごとに均一傾向にあった価値観が、世代を超えて多様化をはじめた現象と把握すべきだと、僕は考えています。
個々人が、世代ということではなく、各々の価値観にしたがって、人生や生活の仕方を選択しはじめた時代ということです。
世代に限らず、都会のタワーマンションに住まうことを目指すヒトが増えると同時に、過疎地域への移住を目指すヒトも増える、というような具合に、他人や世代的傾向に縛られなくなった結果、消齢化という形で、データーにそれが現れたと解釈するのが適切なのではないでしょうか。
2、消齢化する社会では、どこにビジネスチャンスを見出せるのか
この消齢化現象は、ビジネスにおける商品開発や、店舗施設などを今度考える上で、大きな参考になるものと僕は思っています。
これまで、世代や年代にターゲティングを絞って、セグメントを行ってきたマーケティングに、意外な層が反応する、という現象を引き起こす可能性があるからです。
例えば、Z世代にターゲットを絞って開発した商品が、その後の分析で、中高年に大きな需要があった、というような現象です。
また、従来、男性が主流であった山登りや、釣りなどの趣味に若い女性が参入していることは周知の事実ですが、これは、消齢化という現象を越えた多様化・個性化が進んでいることを示しています。
一方、このような現象は、マーケティングにおけるターゲティングやセグメントがやりにくくなっていることも意味しています。ターゲティング広告など、これまで比較的新しいとされてきた広告手法が効かなくなり、マスマーケティングが再び威力を発揮することに繋がるからです。
ターゲティング広告の登場とともに、広告費収入が減少しているメイン局のテレビについても、消齢化現象の中においては、利用価値も高まる機運も見いだせるわけです。
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3、格差社会と消齢化の複合現象が進む
日本社会で進行する格差の拡大も、消齢化現象と複合的に展開しています。
かつての日本社会は、収入が低い若手と、収入が安定する中高齢者という形で、社会が構成されていましたが、今の所得や資産の状況は、まったく異なります。
若者から30代までの年齢層で、新興の富裕者層が誕生しており、一方で、高齢者でも生活は破綻をするほどの低所得者層が生まれています。
日本国民は、世界で最も優れた年金制度を享受できたはずの恵まれた環境にあったはずで、しかも、現在の年金制度は、税や国債によって非常に高い給付が保証されて運用されているにも関わらず、高齢者の中に、その年金の受給も受けられない貧困層が生じています。
貧しい若者、恵まれている中高齢者という構図は、全く当てはまらず、今の日本には、所得や資産の格差も、消齢化が進んでいます。
したがって、高所得者や富裕層ビジネスにも、年齢や年代を越えた富裕層を想定しなければならない状況が生まれてきました。
マーケティングのターゲットを想定するペルソナが、非常に定義しにくい時代が到来したということを意味しています。
4、消齢化は、地方や世界に伝播する現象になる
この日本の都市部で進む消齢化現象は、今後、次第に地方社会に伝播し、先進国にも同様の現象が伝播してゆくと思われます。購買活動や生活習慣に関して、年齢層による差異が減少し、個性による趣向が前面に出るようになるでしょう。
これまで特定の年齢層をターゲットにしてきた商品ペルソナが不明確になるとともに、それが広がり、そして、そのエリアが広がることを、これは意味します。
消齢化をキーワードにして、これまでの自社の商品のターゲティングを再定義するとともに、効率的なマーケティングを続けるには、消費者の個性に着目したセグメントを再度絞り込み、商品開発を行う必要性が出てきそうです。
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