年商5億円を超える社長が実践する、売上を右肩あがりで増やす思考法
1、優れたビジネスモデルの発想の原点は、自分の潜在的な能力にある
事業の起業や、多角化を計画するとき、その事業の構想をまず行わなければなりません。
優れた事業家の方が、優れたビジネスモデルを生み出すとき、その発想は、外部から学ぶようなものではなく、自分の潜在的な能力の中に、その発想の原点があります。
他者が成功している事業モデルや商材を真似る方法をとる経営者は、その資本力が相当に大きくない限り(大企業でない限り)、ほぼ負けます。
他者が成功している場合、その事業モデルや商材のライフサイクルは、既に成長期を通り越している可能性があり、その成功者が、アーリー段階の苦心をえて、他社が容易に真似できないブラックボックスをビジネスモデルに仕込んでいるのが普通です。
このブラックボックスは、容易に真似ることが難しく、したがって、他者の成功を確認してから事業化までの間に、ライフサイクルが成熟化してしまうのが普通です。
したがって、その段階から、他者を圧倒してトップランナーに立つためには、大量な資金を投入して広告などを行う必要があり、かつ、それを行ったとしても、収益の回収期間が長くありません。
このような方法は、資金力が不足している中小企業のベンチャーには向きません。
中小企業のベンチャーにとって優れた方法は、経営者が、自分が過去に歩んできた道の中にある、潜在的な能力の中に、その発想の原点を見出し、自分の強みを徹底的に活かして、他者が追随できないブラックボックスをビジネスモデルや商品に仕込むことにあります。
2、僕が起業の最初に行った、自分の能力の棚卸
僕は、20代の前半から、本業では経営コンサルタントとして、国内の銀行系シンクタンクと海外の外資系金融コンサルティングファームで、40歳になるまで仕事を続け、そこから、日本の大企業3社の取締役として、様々な事業のマネジメントに9年間、携わりました。
その間、20代前半から立ち上げた飲食業の副業の投資経営者として事業を作ってまいりました。
40代後半で、いよいよ、完全に独立し、自分の企業グループを立ち上げようと考えたとき、僕自身の、企業理念や事業領域を定めるため、行ったことは、自分の能力の棚卸でした。
経営コンサルタントとして、そして大企業の取締役として、小規模から巨大企業まで、多数の企業の経営に携わった僕は、司法書士や税理士・弁護士などの専門家の力を一切、借りることなく、会社を設立し、事業計画をたてて実行し、ヒトをマネジメントし、財務から税務申告・契約等の法務のすべてを、自分ひとりの力で、難なく運営する力を、独立するまでに持っていました。
そして、飲食事業を作っては、M&Aで売り抜けて、そのたびに大きな利益をえ、それを再投資して事業を大きくすることを独立までに行っておりました。そのような技術を持っていたことで、飲食事業も大きく成長させることができました。
そして、金融業界にいたおかげで、不動産などに関連する資格も多数保有し、アメリカで世界の企業をクライアントにする活動をして、世界を飛び回っていたため、旅行や海外進出・貿易などの実務能力も身に着けていました。
独立して、会社を作るにあたり、これらの自分の過去の能力を棚卸し、更に、それをもって、自分の事業を立ち上げる意味と、社会的な貢献をじっくり考えました。
こうして、僕は、URVグローバルグループのタグラインに表示している、経営ドメイン
「夢をみろ!それをカタチにする」
という経営目標を据え、その経営目標を10事業の分野で実現することを定め、5つの経営理念を定めたのです。
URVグルーバルグループ 経営理念
https://urv-group.com/company/philosophy/
自分が事業を始める、その究極的な理由をもたない経営者は、非常にブレが激しく、危機に脆いものです。
アップダウンがあっても、事業の軸をぶらさず、事業のステージで戦い続けるためには、事業を自分が立ち上げる理由を確立する必要があります。
単に、金持ちになりたい、だの、家族を豊かにしてやりたい、だのという低次元の目標は、リスクをとって事業を起業しなくても、エリートサラリーマンの人生を送れば、ノ-リスクで実現できる目標です。
その程度の目標を、多大なリスクをとらねばならない事業の起業という形で追及しなければならないとしたら、それは、その時点で、エリートサラリーマンに負けた人生を送っていることになります。最初から、負け組になっているような起業です。
エリートサラリーマンの人生を送っているヒトが絶対に到達できない領域の高次元の価値を実現するため、リスクをとって、事業を起こすのでなければ、高いリスクのある事業など、手を出すべきではないと僕は思っています。
事業を自分で立ち上げなければ実現できない高次元の目標を自分の奥深くに問いかけ、その答えをもって、自分の事業の理念とすることが重要であり、その手段としての事業で何を行うのか、もまた、自分の能力の中から答えがでてくるのです。
3、実は、自分の中に「忘れている能力」がある
現代社会に生きるビジネスパーソンは、毎日、目前のタスクに集中して生きています。そのため、未来を見据える時間や、過去を検証する時間をなかなかとることができません。
長年、特定の業界で生きてきたビジネスパーソンであれば、様々な経験を積んできています。よかったことも、悪かったこともすべてが、自分の経験として積み上がり、能力になっているのです。
「自分には、そんなに大きな能力なんてない。」 というヒトは、能力がないのではなく、それを忘れている、見過ごしているのです。
このまま、自分の中に蓄積した能力を忘れてしまったままにして、何も挑戦しないとしたら、それはとても、残念なことです。
事業の起業というのは、この自分の過去を見据え、自分の能力に気づく、自分の奥底にある事業への高次元の目標にたどり着く、とてもよい機会なのだと僕は思っています。
4、大人の、新しい能力の獲得は、自分の過去に追加するもの
起業をしたいんです、と言って、自分がそれまでにまったくやったことがないビジネスを、ヒトの真似をして立ち上げようとする人に時々お会いします。
こういう方をみていると、失敗する確率が高く、うまくいっても、事業の持続に、非常に苦労をされています。
ある一定の年齢になってからの、新しいゼロからの新しい能力の獲得は、若いころの数倍の努力が必要になります。
中高年は、経験値にプラスして能力を高めることは非常に優れているのですが、経験を積んでいないことをゼロから行うには、若い人にかないません。
40代以降に起業をする場合、それまで全くやったことがない事業ではなく、自分のそれまでの能力に、付加して能力を磨き、そのうえで起業をされることをお勧めします。
何歳になっても人は学べますし、成長しますが、その成長の仕方は、年齢に関係がないわけではありません。
僕も、独立をしたのは40代ですが、その時点で、自分が門外漢であった事業分野には、手を出さないと決めて、現在の10事業をドメインに定めました。自分がそれまでにまったく勉強したことや経験したことがない分野ではなく、勉強と経験をした分野の知識や最新情報を磨くことで、独立をしたのです。
それが、おそらく、僕の成功要因だったと思います。
5、成功は、自分の能力に気づくことからはじまる
起業や新規事業の参入を考えるとき、一番、拙い方法は、他人の事業が上手くいっているのをみて、それをコピペして事業化しようとすることです。
通常、うまくいっている事業には、ビジネスモデルの様々な部分に、他者の参入を許さないための参入障壁となるブラックボックスが仕込まれています。そのブラックボックスは外見だけで真似をしようとしても真似ができず、類似品の疑似的なビジネスに終わります。
また、もし、ブラックボックスが仕込まれていないような、安易なビジネスで成功しているとすれば、そこには、瞬く間に、更に大きな資本が投下され、疑似的に参入した新参者はもちろん、創業者でさえ、瞬く間に淘汰されてしまいます。
したがって、起業や新規事業に参入するには、自分がそれまで獲得してきた能力をしっかりと棚卸をし、その能力を総動員して、他者が参入できない障壁を築くビジネスモデルを構築することが不可欠です。
事業の成功は、安易な猿真似では絶対に達成できません。
自分の能力をしっかりと見つめ、自分の中にあるオンリーワンの能力を見つめるところから、スタートするのです。
松本尚典の中小企業経営者支援コンサルティングサービス
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