成功を導くための、自己モチベーション操縦法 6つの極意

松本尚典

松本尚典


1.何かで成功をする必勝法は、「努力の積み重ねを辞めないこと


世の中には、「努力をしないで成功する」ためのノウハウの情報が溢れています。

しかし、僕は、これまで多くの成功を持続させた経営者の方々にお会いしてきましたが、その中で、「努力をしないで成功を持続させた」人に会ったことがありません。

勿論、人生には運の良し悪しもありますので、努力をせずに、一次的に成功する人はたくさんいますし、そのような方が有頂天になって、得意げに、自分は努力をしないで成功したと宣伝をしている人は、たくさん観てきました。

しかし、このような人が、その後も努力をせずに成功を続けたことはありませんでした。

自分は「努力もしないで、成功した」と宣伝する人を観たら、皆さんは、次のようなことに注意して、その人を観察することをお勧めします。

まず、子供たちのことを観察してみてください。

子供たちが、友人同士で話をすると、「自分がいかに試験勉強をしなかったか」ということを主張しあうのを御存知ですか?

子供のコミュニティの中では、絶対に、子供は、「自分はものすごく試験勉強をした」と主張する子供はいないのです。

何故でしょうか?

心理学で、これを自己価値動機に基づく心理メカニズムと呼びます。

精神的に未成熟で撃たれ弱い子供たちは、「努力をしなかった」と公言することで、自己評価の低下リスクを防御しているのです。

努力をしなかったと言えば、試験結果が悪くても、試験勉強をしていなかったからだ、という言い訳が成り立ち、自己評価が下落しません。

一方で、運よく、試験結果がよかった場合、「努力をしないで高得点がとれるのは凄い」という賞賛評価をえることができます。

そのため、人間は、自己価値動機に基づく心理メカニズムによって、事実とは異なった、「努力をしないで成功する」ためのノウハウを発信したい心理が働くのです。

しかし、子供の中の勉強ができる子供が、「自分がいかに試験勉強をしなかったか」を公言しながら、友人に知られないように、努力をしてよい成績を収め、一方、友人が努力をしていないという、心理的に操縦された偽の情報を真に受けて、勉強をしない子供が、悪い成績に落ちるという現実を、大人である僕たちは、学ばなければなりません。

そう、こうして、少数の現実を直視した成功者と、心理的なフェイク情報に踊らされる大多数の失敗者が、別れるのが、社会の姿なのです。

ファイクな情報を排除して、現実を直視したとき、何かで成功をする必勝法は、「努力の積み重ねを辞めないこと」であると、僕たちは腹をくくるしか、人生で成功を続ける方法はありません。

自分は努力をしなかった、という主張は、精神的に未熟で弱いヒトの、自己評価の下落を避ける心理的な回避法なのです。

自分は、「すごい努力をした」と公言することは、非常に高い自己評価下落のリスクを伴います。努力をしたのに、悪い結果だった場合、「非常に恰好が悪い」のです。そのため、「すごい努力をした」と公言するのには、絶対に成功するという自信と、強い精神力、自我の確立を要することなのです。成功するしか、逃げ道がなくなるからです。

「カンブリア宮殿」に出演するレベルの経営者をみてください。

彼らは、自らの過去の失敗や常人ではなしえない努力を、テレビ番組で堂々と発信します。これは、彼らの自信と精神的な強さ、自立の証なのです。

逆に、「自分はさして努力をしなかったけど、こんなに成功した。」と言っているのは、幼児性が強く、精神的に弱く、その成功が長続きしないことに備えて、自己防衛の煙幕を張っておかなければならない人物だと思ったほうがよいでしょう。

是非、皆さんは、成功したければ、堂々と、ヒトと比較にならないほどの努力を公言し、かつ、継続してください。

2.努力の積み重ねを辞めないためには、モチベーションの自己操縦が不可欠


しかし、努力の積み重ねを辞めないこと、と言っても、それは、とても難しいことです。
何よりも、多くの人にとって、モチベーションが続きません。

そこで重要になってくるのは、モチベーションの自己操縦法です。

どうしたら、努力を三日坊主で終わらせず、継続して行って、成功の実績にまで確実に繋げて、継続させることができるのでしょうか?

実際、中小企業の経営者で、自分の事業を成功させている経営者の方々に、僕は、モチベーションを維持し続けるために、カンファレンス体制を作って、コンサルティング指導を続ける方式を採用しています。

つまりは、僕のコンサルティング指導は、経営という非常に幅広い専門分野の集大成でもあるマネジメントの専門的な指導と、経営者のモチベーションを維持し続けるためのメンターとしての指導の、双方が含まれています。

今回の発信では、人間がモチベーションを維持するための基本的な自己操縦法の入門的な方法を発信して参ります。

3.外発的動機付けと、内発的動機付け


モチベーションに動機づけられる場合、その動機付けは、2つの種類に分類できます。

例えば、大学受験を目指す高校生は、志望校への合格を目指していますが、落ちれば志望校に入れません。また、営業マンは、営業成績の目標を会社から与えられ、その目標を達成しないと、大きなマイナス評価が加えてられてしまいます。

このような自分以下の外部の要因によってなされることを、外発的動機付けと言います。

一方、自分の興味のあることの勉強をしたり、自分が好きな仕事をしたりする、という場合、自分の中にモチベーションの要因があるわけです。これが、内発的動機付けです。

外発的動機付けは、モチベーションを維持して継続をすることが、しにくいのです。モチベーションが維持できるのは、断然、内発的動機付けです。

そこで、たとえ、外発的動機付けによって、何かをはじめたとしても、それを、意識的に内発的動機付けに転換できるかどうかが、重要になります。

では、外発的動機付けによって、はじめたことを、どうやったら、内発的動機付けに転換できるのでしょうか?

これには、6つの方法があります。

方法1.その仕事や勉強に集中して、面白いところを見つける
方法2.仕事や勉強をゲーム化する
方法3.積極的にその仕事や勉強に取り組む人とチームや仲間を組み、その人に啓発を受ける
方法4.達成が現実的に可能な細分化された目標をたて、その目標の達成に取り組む
方法5.「自尊」の目標から、「課題達成」の目標に切り替える
方法6.自己成長欲求に目標を切り替える


この6つの方法が、内発的動機付けに切り替える具体的なやり方です。

ひとつひとつ、見て行きましょう。

4.方法1.その仕事や勉強に集中して、面白いところを見つける


勉強や仕事を、面白いと感じること。これが、努力を継続するための必須の条件とも言えます。

勉強や仕事を、仮に外発的な動機ではじめなければならないとしても、そのことを一旦忘れて、その仕事や勉強に集中してみることが必要です。集中をして、ある程度、進めてみると、その内容が面白いと感じる部分が出てきます。

僕は、現在、URVグローバルグループで、10事業の分野に進出しています。これらの分野は、すべて、オーナーである僕が、その事業を進める中で、非常に面白いと感じた分野ばかりです。

そんな僕は、自分が過去に取り組んできた勉強や、事業に、常にのめり込み、面白いと感じるように、自己操縦をしてきたのです。

僕は、日本の、中央大学で法学部に入学しました。

大学1年生ではじめて、法律学を学びました。

法律学を勉強しているうちに、関係者間の利益衡量を行い、制度趣旨や立法趣旨などの諸要素を総合的に判断の対象として、法律の解釈を行うという民事法の法的思考(リーガルマインド)に、非常に興味を持つようになりました。法学部時代に興味を持って取り組んだ、民法や民事訴訟法・破産法などの勉強で培った思考法は、その後、銀行に入り、シンクタンクから経営コンサルタントという仕事に就いた僕が、論理的に物事を考えることに、どれだけ役立ったか、わかりません。

そして、民法に強かったことが、宅地建物取引士を、銀行に入行するための短期間で合格し、更に、不動産の行政法令上の制限を勉強したことが、今の不動産総合事業の基本となりました。

また、労働法の基本を、大学時代、しっかり学んだことが、その後、経営者としてヒトを使い、更に、人材育成を図るうえで、「やってはいけないこと」「ヒトを使うために必要なこと」の判断を誤らなかった、経営者としての基本リテンラシーに繋がっています。

銀行に入り、経済学部や経営学部を卒業した同僚に大きく遅れながらも、経営学、マーケティング論や経済学、情報処理論、更に、その後、法律以上に僕の専門分野になる会計や税務などを、興味をもって、学びました。

そして、高校生時代まで、やらされている感で勉強をした英語を学びなおし、英語の面白さや、外国人と自由にコミュニケーションを図る面白さにはまったことが、僕が大学院留学をし、アメリカのコンサルティングファームで働く基礎力になりました。

勉強の興味が、仕事を面白くし、更に、専門的な多様な分野に学びを広げて、仕事を深め、広げていく、勉強と仕事のシナジーの努力を、長期間継続したことが、僕が今の事業の基礎となっています。

勉強だけではありません。

僕は、とにかく、美味いものを喰い、美味い酒を呑むのが大好きです。仕事で、世界や日本国内を巡る中、各地で美味いものを食べ、酒を呑みました。この美味いものと、酒に、僕が使ってきたカネは、相当な金額に昇ります。この食い物と、酒への興味が、食を学び、食を極め、そして、その食を生み出す料理人の方々との交流を生み、それが、僕が、経営コンサルアントとしての本業に加えて、長年取り組んできた、飲食事業の成功を齎してくれました。

自分が、本当に美味いものと、美味い酒が好きだったため、「金儲けをする」という外発的な動機の、多くの飲食事業家と比較して、僕の事業が多くの消費者の皆様から支持を受けた理由でした。僕にとっての、飲食事業は、極めて強い自分の内発的な動機付けによって、成功した事業です。

僕は、今、多くの事業に同時並行で取り組むため、一日に16時間以上仕事をし、365日、休むことがありません。これが継続できるのは、僕の手掛ける事業は、すべて、僕にとって面白くて仕方がないからです。

このような状態に持っていくことができれば、ヒトは、休むことや、ライフワークバランスなど考える必要は消える状態に至ります。

僕は今、趣味のクルーザーで、海に出ているときでも、事業の戦略に想いを馳せています。

美味いものを食べて酒を呑んでいるときも、飲食事業の市場調査を行っています。

若くて美しい女性を素敵な店に食事で連れて行きながら、モデル芸能事務所のスカウトをかけています。

海外旅行も、海外渡航支援事業の視察という位置づけで楽しんでいます。

僕にとって、オフの時間というものは、存在してなくても、何も問題はないのです。

これが、究極の内発的動機付けに裏付けられた、「幸せな、努力の継続」の姿なのです。

5.方法2.仕事や勉強をゲーム化する


しかし、すべての人が、仕事や勉強に興味が抱けるわけではないと思います。人生は、好まざることをしなければないないこともあります。

その場合、仕事や勉強をゲーム化するという方法も、また、内発的な動機付けに役立ちます。

ある勉強や仕事に、予定を立案し、区切りをつけ、その区切りを実行できたら、成功報酬を自分に与えるルールを作るのも、ゲーム化のコツの一つです。

ゲームというものは、ヒトの頭脳にドーパミンを分泌させ、これがヒトのモチベーションを強く発生させます。だから、ゲームに中毒的にはまる人が生じるのです。

仕事や勉強をゲ-ム化しますと、ヒトは強い動機付けをえられます。例えば、金融的な投資を、マネーゲームと言いますが、金融投資という知的な興奮がほどんと得られない行動をゲーム化することで、金融投資という仕事にはまる人が出るのです。

このようなゲーム化の結果、方法4.の、達成が現実的に可能な細分化された目標をたて、その目標の達成に取り組むことができるようになります。

6.方法3.積極的にその仕事や勉強に取り組む人とチームや仲間を組み、その人に啓発を受ける


モチベーションを自己創出する上で、周囲の人の影響というのは、非常に大きいといえます。

例えば、子供は、勉強が嫌いな子供と友達になると、その友達の影響を受けて、子供が勉強嫌いになってしまうことは、非常に多いのです。子供を勉強ができるようにさせるコツは、子供を勉強好きの子供と友達になるように誘導することなのです。

大人になって、お付き合いをする人が選べるようになった場合、仕事が大好きで、仕事ができる、積極的な攻めの生き方をしている人と付き合い、更にチームを組むことは、自分のモチベーション形成に非常に重要です。

一方、職場で、仕事が終わってから、居酒屋で、会社や上司の悪口を言っているような仲間とつるめば、自分もまた、どんどん、仕事のモチベーションを失います。

マイナス志向の人材を遠ざけ、プラス志向の人材の近くにいくことです。

経営者であれば、毎年、同じような業績と、同じ仕事を繰り返している経営者ではなく、新しい事業にどんどん進出し、右肩上がりで伸びている経営者の仲間に入るべきです。

人間には、時代劇の主人公のように、「いい人」と「悪い人」というステレオタイプの人がいるわけではありません。しかし、「積極的に攻めてアグレッシブな人」と「守りに徹するつまらない人」は、明確にわかれています。

僕は、お付き合いをする人を、「積極的に攻めてアグレッシブな人」に限定するようにしています。どの分野かどうかではなく、人生を積極的に攻める人を周囲に固めることで、自分の生きるモチベーションを意識的に高めるようにしています。

逆に、「守りに徹するつまらない人」は、仮にその方に社会的な地位があろうが、お金持ちであろうが、距離をおくことにしています。

保守的な、守りのヒトは、仮に今はおカネがあっても、もう、下り坂を降りている人だからです。

そのような人と一緒にいれば、自分もまた、下り坂を降りる人生になるものです。

恋人や友達にするには、守りの人のほうが楽なのです。

しかし、自分の伴侶や、仕事のパートナーにするには、そのような楽な人とでは、自分も下り坂に入ってしまうことを、よく考えて、人間関係を構築しなければなりません。

7.方法5.「自尊」の目標から、「課題達成」の目標に切り替え


モチベーションを維持するためには、行動に目標が不可欠です。

目標には、2つの種類があります。

A君:「社内で表彰されるように頑張ります。」
B君:「自分の過去の最高業績を更新するように頑張ります。」


このA君と、B君の目標の設定は、質的に全く異なります。
A君の目標は、社内で表彰され、他の人から賞賛されたい、カッコよくいたい、という種類の「自尊」目標です。

この自尊目標は、モチベ-ションを長続きさせられない種類の目標です。
学生時代、100点をとって、親や友達から賞賛されたいという目標を設定する生徒は、長期的に勉強ができるようにはなりません。

子供に、100点をとったら、何かを買ってあげる、という類の約束をする親というのは、完全に、モチベーションを勘違いした、誤った教育をしている親なのです。

このような目標の設定を、質的に、B君のような目標に変える必要があります。
B君のような種類の目標を、「課題達成」目標と言います。

課題達成型の目標というのは、方法2.で述べたゲーム化に近いのですが、自分の中に、まだ不足している部分(課題)を自分で見出し、その課題達成をタスクとして、目標化するのです。

大学受験や、スポーツ選手、長期的に仕事の力を上げ続ける優秀なビジネスマンは、必ずといっていいほど、課題達成型の目標を自分で設定しています。

そして、その目標を設定すると、方法6.自己成長欲求に目標を切り替えることが自然にできるのです。

続く

松本尚典の中小企業経営者支援コンサルティングサービス

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