年商1億円を超えるマーケティング戦略|「社長が売る会社」から「会社として売れる会社」へ
マーケティングミックス 4Pとは?
年商3000万円前後から1億円、さらにその先へ会社を成長させていくためには、「社長自身が売る会社」から、「会社として継続的に売れる仕組みを持つ会社」へ変わっていく必要があります。
そのための重要な経営戦略の一つが、マーケティングです。
マーケティングというと、
広告。
Webサイト。
SNS。
営業。
販売促進。
などをイメージされる方がいます。
しかし、マーケティングは、単なる広告活動や販売促進活動だけを意味するものではありません。
誰を顧客とするのか。
その顧客に、どのような価値を提供するのか。
何を商品として提供するのか。
いくらで販売するのか。
どこで購入できるようにするのか。
その商品の存在と価値を、どう伝えるのか。
これらを一貫して設計する経営活動です。
マーケティングを考える基本的なフレームワークの一つに、「4P」があります。
Product(商品)
Price(価格)
Place(販路・物流・販売拠点)
Promotion(プロモーション)
この4つを組み合わせて、顧客から選ばれる仕組みを設計する考え方を、マーケティングミックスと呼びます。
重要なのは、4Pのどれか一つだけを強化することではありません。
優れたProductがあっても、Priceが顧客価値と合っていなければ売れません。
適切なPriceでも、顧客が購入できるPlaceがなければ売れません。
そして、Product・Price・Placeが優れていても、その存在と価値が顧客へ伝わっていなければ、やはり売れません。
そこで今回取り上げるのが、4PのうちのPromotionです。
中小企業に必要なのは、「よい商品」から「価値が伝わる商品」への転換
僕はこれまで、多くの中小企業経営者の方と仕事をしてきました。
その中で、
「商品には自信があるのですが、なかなか売れません」
「一度使っていただければ、よさは分かってもらえるのですが」
という言葉を、何度も聞いてきました。
この状態は、中小企業に珍しいことではありません。
優れた技術を持っている。
品質の高い商品を作っている。
顧客への対応も丁寧。
長年の経験もある。
それでも、売上が伸びない。
なぜでしょうか。
理由の一つは、
「よい商品であること」
と、
「顧客が、その商品のよさを知っていること」
は別だからです。
さらに、
「商品のよさを知っていること」
と、
「競合ではなく、その商品を選ぶこと」
も別です。
つまり、
商品を作る。
↓
商品の存在を知ってもらう。
↓
価値を理解してもらう。
↓
他社との違いを理解してもらう。
↓
購入を検討してもらう。
↓
実際に購入してもらう。
という段階が必要になります。
Promotionとは、この顧客とのコミュニケーションを設計する活動です。
年商1億円を超える段階では、「社長の人脈」だけでは顧客接点が足りなくなる
年商数千万円までの会社では、
経営者自身の人脈。
紹介。
直接営業。
既存顧客との関係。
によって売上を作っているケースがあります。
この方法は、創業期には非常に有効です。
しかし、経営者一人が会える人数には限界があります。
一日に行える商談数にも限界があります。
経営者自身の人脈にも限界があります。
年商1億円、その先へ売上を伸ばしていくためには、
経営者が知らない顧客にも会社を知ってもらう。
会社名や商品名を覚えてもらう。
顧客が自分で会社を見つけられる。
営業担当者でも価値を説明できる。
Webサイトを見れば商品や強みが理解できる。
既存顧客から紹介が生まれる。
という状態を作る必要があります。
つまり、
「社長が売る」
という方法だけでなく、
「会社そのものが顧客へ価値を伝える」
仕組みが必要になります。
その重要な役割を担うのが、プロモーション戦略です。
プロモーションとは、広告費を使うことではない
プロモーションというと、
テレビCM。
新聞広告。
Web広告。
SNS広告。
といった有料広告を思い浮かべる方が多いと思います。
もちろん、広告は重要なプロモーション手段です。
しかし、現在の中小企業が利用できるプロモーション手段は、それだけではありません。
例えば、
Webサイト。
SEO。
AEO。
GEO。
Web広告。
Googleマップ。
SNS。
YouTube。
プレスリリース。
メディアへの情報提供。
営業資料。
顧客事例。
セミナー。
展示会。
メール。
既存顧客への情報発信。
紹介。
など、多くの方法があります。
重要なのは、
「広告を出すこと」
ではありません。
誰に。
何を。
どのような言葉で。
どの媒体を使って。
どのタイミングで。
伝えるのかを設計することです。
例えば、年商数億円の製造業経営者が対象の商品と、20代の一般消費者が対象の商品では、適した情報発信の方法はまったく違います。
プロモーション戦略では、
「何が流行っているか」
ではなく、
「自社の顧客は、どこで情報を探し、何を信頼し、どのような情報があれば購入を検討するのか」
から考えます。
プロモーションで市場を切り拓いた企業の事例
プロモーションの重要性を考えるうえで参考になる企業の一つが、チョーヤ梅酒株式会社です。
チョーヤは、もともと葡萄栽培から始まり、ワインやブランデーなどを手掛け、その後、1959年に梅酒の製造・販売へ進出しました。
しかし、当時の日本では、梅酒は家庭で作るものという認識が強く、市販品としての梅酒が現在のように広く受け入れられていたわけではありません。
つまり、単に、
「よい梅酒を作れば売れる」
という市場ではなかったわけです。
商品を開発するだけではなく、
「梅酒を商品として購入する」
という新しい顧客行動そのものを、市場の中に広げていく必要がありました。
その後、生活様式の変化などによって市販梅酒への需要が広がり、チョーヤ自身も商品開発、品質、ブランド、販路、プロモーションを積み重ね、梅酒を代表するブランドの一つへ成長していきます。
この事例で重要なのは、
「テレビCMをたくさん流したから成功した」
という単純な話ではありません。
Product。
Price。
Place。
Promotion。
が連動していたという点です。
顧客が求める商品を作る。
商品の品質を磨く。
流通を広げる。
商品の存在と価値を伝える。
そして、長期間にわたってブランドを育てる。
この積み重ねによって、
「梅酒という商品」
と、
「CHOYAというブランド」
が市場の中で強く認識されるようになったと考えるべきでしょう。
中小企業は、大企業と同じプロモーションをする必要はない
ここで、
「それなら中小企業も、大企業のように大量の広告費を使わなければならないのか」
と思われるかもしれません。
僕は、そうは考えていません。
むしろ、資金力の限られる中小企業が、大企業と同じ方法で広告量を競うことには慎重になるべきです。
テレビCM。
大量のWeb広告。
大規模なキャンペーン。
著名人を起用した広告。
など、資金量そのものが競争力になる領域では、大企業が有利です。
中小企業が考えるべきなのは、
大企業と同じ人数へ広告を届けることではなく、
「自社の商品を最も必要としている顧客へ、狭く・深く・継続的に価値を伝えること」
です。
例えば、BtoB企業で顧客候補が全国に数千社しか存在しないのであれば、数百万人へ広告する必要はありません。
その数千社の中の意思決定者に、
自社を知ってもらう。
専門性を理解してもらう。
実績を見てもらう。
問い合わせてもらう。
という仕組みを作ればよいのです。
この意味では、Webサイト、SEO、AEO、GEO、コンテンツ、PR、展示会、メール、紹介などは、中小企業でも十分に戦略的に活用できます。
低コストではなく、「費用対効果の高いプロモーション」を目指す
中小企業のプロモーションについて、
「できるだけ安く行うこと」
を目標にしてしまうケースがあります。
しかし、重要なのは広告費を安くすることではありません。
100万円の広告費を使って500万円の粗利益を生み出せるのであれば、その広告は有効な投資かもしれません。
反対に、広告費が5万円でも、一件の商談にもつながらなければ、経営上の成果はありません。
したがって経営者は、
広告費。
アクセス数。
問い合わせ数。
商談数。
成約数。
売上。
粗利益。
顧客獲得コスト。
などをつなげて見ます。
前のコラムで説明した、
「売上=集客数×転換率×客単価」
という考え方も、ここで重要になります。
Promotionによって集客数だけを増やしても、
転換率が低い。
客単価が低い。
粗利益が残らない。
のであれば、経営成果にはつながりません。
つまり、
プロモーションの目的は、
「多くの人に見てもらうこと」
ではなく、
「利益につながる顧客との接点を増やすこと」
です。
年商1億円を超えるプロモーションは、「認知」から「成約」まで設計する
プロモーションを考える際には、顧客が会社を初めて知ってから購入するまでを分けて考えると、施策を整理しやすくなります。
例えば、
会社を知らない。
↓
会社を知る。
↓
興味を持つ。
↓
Webサイトなどで詳しく調べる。
↓
競合と比較する。
↓
問い合わせる。
↓
商談する。
↓
購入する。
という流れがあります。
それぞれの段階で必要な情報は違います。
まだ会社を知らない人には、
SEO。
広告。
SNS。
PR。
などによって接点を作ります。
興味を持った人には、
Webサイト。
商品ページ。
事例。
動画。
専門コンテンツ。
などによって理解を深めてもらいます。
問い合わせを検討している人には、
料金。
導入方法。
実績。
FAQ。
担当者情報。
問い合わせフォーム。
などによって、不安を減らします。
そして商談では、
営業資料。
提案書。
具体的な成果。
によって契約へつなげます。
プロモーションとは、「広告を出すこと」ではありません。
顧客が自社を知り、理解し、比較し、問い合わせ、購入するまでのコミュニケーション全体を設計することです。
年商1億円から先では、プロモーションを「会社の資産」に変える
単発の広告は、広告を止めれば集客も止まる場合があります。
そこで、年商1億円前後からさらに会社を成長させる経営者には、
「蓄積するプロモーション」
という視点も持っていただきたいと思います。
例えば、
Webサイト。
専門的なコラム。
顧客事例。
動画。
メディア掲載実績。
顧客データ。
メール配信リスト。
口コミ。
紹介ネットワーク。
ブランド。
などです。
これらは、一度作った瞬間だけ効果を出すものではありません。
時間をかけて蓄積することで、将来の集客力と営業力を高めていきます。
つまり、
広告費を毎月使わなければ売れない会社
から、
Web・ブランド・コンテンツ・顧客関係という「マーケティング資産」が、継続的に顧客を連れてくる会社
へ変えていくことが重要です。
これは、「社長自身が売る会社」から「会社として売れる会社」へ移行するうえでも、大きな意味を持ちます。
プロモーションを強化する前に、Product・Price・Placeも確認する
ここまでPromotionについて説明してきました。
しかし最後に、非常に重要なことを申しあげておきます。
売れない原因が、必ずPromotionにあるとは限りません。
商品そのものに顧客価値がなければ、広告を増やしても売れません。
価格が市場と合っていなければ、集客しても転換しません。
購入できる場所や販売チャネルが適切でなければ、需要があっても販売できません。
したがって、
「売上が伸びないから広告を増やそう」
と、すぐにPromotionへ進むのではなく、
Product。
Price。
Place。
Promotion。
のどこにボトルネックがあるのかを確認する必要があります。
年商1億円を超えるために必要なのは、
「プロモーションだけを強くすること」ではなく、
自社の価値を明確にし、その価値を必要とする顧客へ、4Pを一貫させて届けるマーケティングの仕組みを作ることです。
年商1億円から先のプロモーション戦略を、実行まで具体化する
年商1億円前後からさらに会社を成長させる段階では、
「Webサイトを作り直した方がよいのか」
「SEO・AEO・GEOを強化するべきなのか」
「広告を増やすべきなのか」
「PRやプレスリリースを活用すべきなのか」
「ブランディングから見直すべきなのか」
という個別施策から考える前に、
誰を顧客とするのか。
何を価値として提供するのか。
現在の集客・転換率・客単価のどこに問題があるのか。
どこへ経営資源を投入すれば、最も売上と利益が伸びるのか。
を整理することが重要です。
URVグローバルグループでは、マーケティングミックスの設計から、Webサイト、SEO・AEO・GEO、広告、PR、ブランディング、コンテンツ制作など、企業の売上成長に必要なマーケティング施策を総合的に支援しています。
マーケティング支援事業
https://urv-group.com/services/marketing/
そして、プロモーションだけでなく、
商品。
価格。
営業。
組織。
人材。
財務。
まで含めて、「なぜ会社の成長が止まっているのか」を経営全体から整理したいオーナー経営者の方には、経営者伴走コンサルティングをご用意しています。
年商5億円の壁を突破するための経営者伴走コンサルティング
年商3000万円から4億円程度のオーナー社長を対象に、松本尚典が、売上・利益の構造分析から、経営戦略、マーケティング、組織、人材、財務、実行計画まで、経営者の意思決定と実行に継続して伴走します。
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初回120分経営カンファレンス
継続的な経営コンサルティングをご検討いただいているオーナー経営者を対象に、現在の売上、マーケティング、営業、組織、今後の成長目標を整理し、どこに成長のボトルネックがあるのか、今後どこへ経営資源を集中すべきかを確認します。
https://direct.mbp-japan.com/menu/detail/936


