撮影罪は何を禁じているのか|条文の構造を風俗の場面で読む
デリバリーヘルスの利用時に無断での録音が発覚し、その場で総額70万円を分割で支払う旨の示談に応じさせられてしまった男性のご相談です。弁護士が介入して再交渉し、60万円の減額となる解決金10万円で改めて示談を成立させた経緯を紹介します。
相談の概要―デリヘルでの無断録音が発覚し、その場で70万円の示談に応じてしまった
依頼者は男性で、デリバリーヘルスを利用した際、スマートフォンのボイスメモでキャストとのやり取りを無断で録音していたところ、プレイが始まる前にキャストに発見されてしまいました。
キャストからは「警察に電話するか、示談金を支払うか」と選択を迫られ、さらに「前日も同じように録音していた人から70万円受け取った」などと告げられました。動揺した依頼者は、その場で言われるまま、総額70万円を分割で支払う旨の文言をLINEで書かされたうえ、運転免許証を撮影され、氏名や住所まで把握されてしまいました。しかも、実際には音声の録音のみであったにもかかわらず、書かされた文言には「盗撮」を前提とするかのような記載が含まれていました。
帰宅後に冷静になった依頼者は、70万円という金額への疑問に加え、逮捕や周囲への発覚、自宅への嫌がらせといった不安が拭えず、当事務所にご依頼いただきました。
当事務所の対応―LINEの窓口を遮断し、示談金を70万円から10万円に再交渉
相手方との接点がLINEのみであったため、まず、弁護士が作成した受任通知を依頼者からLINEで相手方に転送してもらい、既読を確認したうえで相手方をブロックしてもらいました。これにより、以後の連絡窓口は弁護士に一本化され、依頼者が相手方と直接やり取りする状況は解消されました。
その直後、相手方から当事務所に連絡があり、交渉が始まりました。相手方は、録音だけでなく盗撮をしようとしていたなどとも主張しましたが、依頼者はこれを明確に否定していました。当事務所としては、会話の無断録音により直ちに犯罪が成立するとは限らないこと、その場の動揺に乗じて書かせた70万円という金額は相当性を欠くことを指摘し、減額を求めて交渉を重ねました。
交渉の結果、当初の70万円から60万円の減額となる、解決金10万円の一括払いで合意に至りました。そのうえで、改めて弁護士が示談書を作成して相手方と取り交わし、当事務所を通じて解決金の支払いを完了。受任から約3週間で事件は終結しました。
また、依頼者には、万一相手方や店舗側から連絡や嫌がらせがあった場合の対応についても事前に説明し、解決後の不安にも備えました。
解決内容
- その場で合意させられた70万円の示談を、解決金10万円(60万円の減額)で再合意。
- 弁護士が作成した示談書を改めて締結し、紛争を終局的に解決。
- 逮捕や警察沙汰、周囲への発覚に至ることなく解決。
- 受任直後にLINEの窓口を遮断し、受任から約3週間で解決金の支払いまで完了。
担当弁護士からのコメント―その場で書かされた示談書でも、再交渉できる場合があります
風俗店の利用時に無断での録音や撮影が発覚し、その場で高額な示談金を要求されるトラブルがあります。「警察を呼ぶ」と言われると、動揺してそのままの条件に応じてしまいがちですが、本件のように、身分証を撮影されたうえ、事実と異なる内容を含む文言まで書かされてしまうケースもあります。
法的なポイントとして、会話の無断録音は、盗撮のように直ちに犯罪が成立するとは限りません。もちろん、相手のプライバシーを侵害する行為であり、民事上の責任を問われる可能性は十分にありますが、その場で提示された金額をそのまま支払う義務があるわけではありません。金額は、行為の内容や実際に生じた損害に照らして判断されるべきものです。
そして、一度示談書やそれに類する文言に合意してしまった場合でも、諦める必要はありません。動揺に乗じて書かされた、事実と異なる記載がある、金額が実態に見合わないなど、成立の経緯や内容によっては、弁護士が介入して再交渉できる場合があります。本件でも、再交渉によって当初の7分の1程度の金額での解決に至りました。
なお、無断での録音・撮影はプライバシーを侵害する行為であり、本件のようなトラブルの原因にもなりますので、行わないよう注意が必要です。
その場で示談書を書かされてしまった方、高額な分割払いを続けている方は、支払いを重ねてしまう前に、できる限り早い段階で当事務所までご相談ください。


