【管理職向け】部下のモチベーションが低い原因は?管理職が知るべき4つの改善視点 [実行マネジメント⑧]
なぜ、部下は“やりきれない…&成果が出ない”状態に陥るのか?
こんな悩みはありませんか?
- 「あれもこれもと抱え込み、動いてはいるが“空回り”している」
- 「部下がタスクをこなしてはいるが、成果に直結していない」
- 「結局“どこから手を付けるべきか”が分からず、進みが遅い」
このような状態は、“やる気がない”のではなく、
優先順位付けや行動設計の技術が不足していることが原因です。
管理職がその設計を支援することで、部下の行動は大きく変わります。
背景にある構造的な問題と影響
業務の複雑化とスピード化が進む中で、
「成果に直結する行動」と「やった気になってしまう行動」を分ける力が求められています。
しかし現場では:
- 「全部やらなければ」という思い込みでリソースが分散
- やるべきことの整理方法が未定義で、経験や勘で行動させてしまう
- 成果が出ないことに焦り、さらに行動量のみを増やしてしまう
このような構造により部下は、
- 【現在】「忙しいのに成果が出ない」状態が常態化し、
- 【未来】離職やメンタル不調につながる恐れがあります。
解決のカギは、「優先順位設計」
弊社では、クライアント企業の成果創出を何より重視し、
“再現性あるマネジメント”として「部下の行動設計支援」を支える仕組み
を構築し、実行サポートも含めた研修を実施してきました。
なかでも、次の2つの視点が行動集中には不可欠です。
成果につながる“選ばせ方”の2つの視点
1)20:80の法則で削る
「100の成果のうち、80は20の行動が生み出している」
→ まずこの“20%の行動”を特定し、徹底させる。
2)SCIで優先順位をつける
- S(Speed):成果が早く出るのは?
- C(Cost):時間やコストがかからないのは?
- I(Impact):成果のインパクトが大きいのは?
導入ステップ ~具体事例で読み解く~
今回は「アポイントがなかなか取れない」という課題に直面している営業担当者を例に、
管理職が行うべき“優先順位設計”支援の流れを整理します。
【Step1】アポイント取得のための行動を洗い出す(複数案)
部下に「アポを増やしたい」と言われたとき、まず行動を分解・列挙します:
- 架電件数を増やす
- 架電のトーク(質)を改善する
- 過去接点顧客への再アプローチを行う
- メール/DMとの組み合わせによる接触手段を変える
- 対象リストの質(ターゲティング精度)を見直す
- 初回接触後のフォロー頻度・方法を見直す
【Step2】20:80の法則を用いて“想定される1つ”に絞る
営業成果に影響する要素は数多くありますが、
実際の現場でヒアリングをすると「リストの質・過去接点顧客アプローチ」と「トークの質」がボトルネックであるケースが非常に多く見られます。
ここでは「2.トークの改善(質)」を最重要アクションと判断します。
【Step3】“トーク改善(質)”に対する具体的な対策案(複数)
以下のような改善策が挙げられます:
- A. トップ営業のトークを録音して社内で共有
- B. 週1回のロールプレイ研修(上司またはペアレビュー)
- C. トークテンプレートを見直し、2パターン以上用意
- D. 営業心理を学ぶ外部研修を受講させる
- E. 架電結果をExcelで分析し、反応の良いトークを抽出
【Step4】SCI(Speed/Cost/Impact)で相対評価
| 対策 | Speed(成果の早さ) | Cost(コスト・手間) | Impact(成果インパクト) |
|---|---|---|---|
| A. トップ営業の音声確認 | ○(確認時間) | ◎(低コスト) | ○(やや汎用性:低) |
| B. ロールプレイ研修 | ◎(早期:可) | ○(上司時間:要) | ○(改善効果:中) |
| C. トーク改訂 | △(遅め) | ○(設計時間:中) | ◎(改善内容により強力) |
| D. 外部研修受講 | △(月単位) | △(高コスト) | ◎(刺激・学習:有) |
| E. 架電分析と抽出 | △(遅め) | ◎(データのみ) | △(分析精度次第) |
【Step5】優先順位の整理(短期・中期視点)
■ 短期で成果を出すなら…
→ A. トップ営業のトーク共有+B. ロールプレイ研修 (即時導入可能で、成果へのインパクトが高い。社内資源だけで改善に着手できる)
■ 中期で行動を定着させるなら…
→ C. トークテンプレ改訂を仕組みに組み込む (複数パターンを整備し、ターゲット別に使い分ける体制づくりへ。育成・チーム共有にも有効)
導入に向けて
管理職の「仕組み支援」が、部下の成果を変える
部下にとっての最適解は、「指示」ではなく、「構造化された支援」です。
管理職がやるべきは、“判断の土台(数値・構造)”を一緒に整えること。
対象者は部下と管理者(マネージャー)自身
本コラムは、主に管理職(マネージャー/リーダー層)向けに構成されています。
ただし、以下の方々にも非常に有効です:
- 自身のKPIや行動設計を見直したいマネジャー本人
- 成果につながるアクションに絞りたい若手・中堅社員/営業担当者
「やるべきことが多い」のではなく、「選べていないだけ」。
“優先順位付けとKPI設計”という武器を、管理職の手に。
成果に直結する行動を明確にし、部下の成長と成果の両立を支援していきましょう。
このコラムの内容は、以下のような企業様に特におすすめです:
- 管理職研修・マネジメント研修をご検討中の企業様
- 管理者の育成やミドル層の再教育に課題を感じている企業様
- 管理職とはどのようなことをするべきか、また部下育成の仕組みを整えたい人事・経営層の皆様
弊社では、管理者育成・マネージャー研修・組織マネジメント支援を一貫してご提供しています。
貴社にあった“成果の出るマネジメント支援”をお求めの際は、お気軽にご相談ください。
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