管理職が育たないのはなぜ?マネージャー向け”人材育成5原則”の導入ステップ [実行マネジメント①]
目次
「部下の課題が分からない…」そんな経験はありませんか?
- 「部下のやる気がない気がするが、理由が分からない」
- 「頑張っているように見えるが、成果が伴わない」
- 「的外れなアドバイスになっていないか不安になる」
こうした悩みを抱える管理職の方は少なくありません。
実際、多くの企業において「課題特定力の低さ」が、育成や業績改善のボトルネックになっています。
マネージャーには、表面的な問題に飛びつくのではなく、本質的な課題に辿り着くスキルが求められています。
背景にある構造的な問題と影響
このような「課題の特定ができない」状態は、単なる指導力不足ではなく、構造的な問題が背景にあります。
- 現状の定量把握がなされていない
- 「問題」と「課題」の区別ができていない
- 真因分析の手法が確立されていない
その結果、
- 表面的な対策に終始し、成果が上がらない
- 時間や人的リソースの浪費
- 管理職自身のマネジメントが曖昧化し、部下の成長が止まる
といった悪循環が起こります。
問題の本質を捉える「問題発見と課題特定」思考とは?
実践に役立つ3つの思考技術
弊社では、クライアント企業の成果創出を何より重視し、現場で“使える”再現性あるマネジメントにこだわってきました。
以下の3つの観点を軸に、管理職育成を行っています。
① 問題解決ステップ(5段階)
- 目標設定(あるべき姿の明確化)
- 現状把握(定量・定性)
- 問題点の抽出(ギャップ)~課題の特定(真因)
- 対策立案(優先順位づけ)
※今回のコラムでは、「1~3(課題の特定)」までを取り扱っています。
② 生産性の公式で可視化する
「生産性=成果÷総工数」という視点が有効です。
さらに、
- 稼働率=主体工数÷総工数
- パフォーマンス=成果÷主体工数
主体工数とは、「直接成果に結びつく業務」に使った時間を指します。
営業でいえば、顧客との面談・電話などが該当し、資料作成や移動時間などは含まれません。
③ 「できない5つの理由」で原因を特定する
【個人要因】
- ①やる気がない
- ②やる時間がない
- ③やり方がわからない
【組織要因】
- ④やる風土がない
- ⑤やる仕組みがない
特に①「やる気がない」は最後に考えるべきと言われています。
やる気に焦点を当てすぎると、「時間・やり方・仕組み」といった本質的な要因を見落としてしまいがちです。
課題特定の導入ステップ ~具体事例で読み解く~
ここでは、アポイント件数が目標に届かない営業担当者の事例を用いて、課題特定の導入を解説します。
【Step1】目標設定
月間アポ目標:10件
【Step2】現状把握
実績:5件
【Step3】問題点の抽出
1)生産性の視点
- 稼働率:月30訪問が理想 → 実際は15訪問
- パフォーマンス:訪問15中7件アポが理想 → 実績は5件
→ 稼働率の低さが主因と推測(移動・準備に多くの時間を費やしていた)
2)できない5つの理由
- 時間:営業準備・事務作業・会議で訪問時間が取れない
- やり方:訪問計画方法が不明確/優先順位づけができていない
- 仕組み:リスト整備が不十分、訪問記録の管理が属人的
【Step4】課題の特定(真因)
※詳細は、別コラム「やるべきことを絞り込む「優先順位付けSCI」導入ステップもご参照ください。
20:80の法則・SCIの視点で整理した結果、以下の通り。
- 短期:訪問対象リストの整備・1日3件の優先行動設定
- 中期:訪問計画テンプレートの運用ルール確立・週次振り返り導入
実践に向けたチェックリスト
- 目標と現状のギャップを把握できているか?
- 稼働率とパフォーマンスの両面から可視化できているか?
- できない理由を「やる気」ではなく構造で捉えているか?
- 問題点が複数存在することを前提に考えられているか?
- 課題設定の妥当性を、対策前に検証しているか?
最後に
管理職の「仕組み支援」が、部下の成果を変える
管理職に求められるのは、属人的なカンや経験ではなく「再現可能な仕組み」を通じたマネジメントです。
成果の出る支援を提供するには、課題特定というステップを“型”として捉え、再現性高く運用できる力が欠かせません。
対象者は部下と管理者(マネージャー)自身
本コラムは、主に管理職(マネージャー/リーダー層)向けに構成されています。
ただし、以下の方々にも非常に有効です:
- 自身のKPIや行動設計を見直したいマネジャー本人
- 成果につながるアクションに絞りたい若手・中堅社員/営業担当者
“課題の特定力”を身につけることで、部下の自律的成長と成果創出の両立が実現できます。
このコラムの内容は、以下のような企業様に特におすすめです:
- 管理職研修・マネジメント研修をご検討中の企業様
- 管理者の育成やミドル層の再教育に課題を感じている企業様
- 部下育成の仕組みを整えたい人事・経営層の皆様
営業の「勝ちパターン」だけでは成果は出ない
「成果の出る営業手法」や「マニュアル」が明確になっていても、なぜか結果が出ない――。
こうした状況に直面した経験はありませんか?
その原因の多くは、「課題特定の甘さ」にあります。
いくら優れた“勝ちパターン”を持っていても、個々の営業メンバーが抱える真の課題が明確になっていなければ、その武器は機能しません。
弊社では、戦略立案や“勝ちパターン構築”と合わせて、管理者育成・マネージャー研修・組織マネジメント支援を一貫してご提供しています。
「勝ちパターンの構築」で終わらせることなく、その勝ちパターンを【成果に直結させる】ために、管理職(マネージャー)と伴走しながら支援を行っています。
営業現場で“課題を見抜く力”を高めることで、120%を超える成果創出につなげてまいりました。
貴社にあった“成果の出るマネジメント支援”をお求めの際は、お気軽にご相談ください。
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弊社(株式会社バリュー・コア・コンサルティング)では、以下5つのサービスを提供しております。
- 総合経営コンサルティング
- 勝ちパターン構築プログラム
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