ひとり茶と向き合う時間に淹れる「中火鉄観音」
陰陽の中分となれば也。
お彼岸の中日を迎えました。
昼夜の長さがほぼ同じになり、日が暮れるのが早くなってまいります。
暑い日もありますが、鈴虫の鳴く声が聞こえ、涼しくなるころ。
ほっこりと温まるお茶がいただきたくなります。
そんな時にお勧めしたいのが、台湾の烏龍茶「木柵鉄観音」です。
黒く締まった茶葉は、1875年張家が福建省から伝わった技法を守り続けているからです。
黄緑色の茶葉のものが多くなりました福建省の鉄観音は、
元は、殆どがこのようなしっかりと焙煎が施されたものでした。
3日かけて作ると言われています。
深い焙煎のため黒く締まった茶葉からにじみでる濃厚な味わいと
芳ばしさの中にある甘み、
スッキリとした後味です。
淹れ方は、蓋碗やティーポットの底に薄く茶葉が広がるほど入れて、
後は、沸騰した湯を注ぐだけ。
1分ほどお待ちいただきます。
揉まれて丸まった茶葉に湯が行き渡るまで時間がかかるからです。
少しでも湯の温度が低いと相手にしてくれないとでもいうような茶葉です。
茶畑は、台北市内動物園駅からロープウェイに乗り
終点「猫空」につきましたら眼下に広がります。
茶藝館や茶葉料理の店もあります。
一枚一枚厚みのある鉄観音種の茶葉。
今も継がれる技術の賜物です。
秋のゆったりとした時間に台湾の木柵鉄観音を召し上がってみてはいかがでしょうか?