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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

ダイハツの不正

2023年12月24日

テーマ:【カフェテラス】

コラムカテゴリ:くらし



許されないコンプライアンス軽視

今、ダイハツバッシングで世間が騒然としています。174項目もの不正な改ざんが認定申請を下す際になされていたとか・・・
国が定めている基準を満たし、国が定める検査方法で確認して正直に報告するのは法治国家である日本としては当たり前の事で、ルール無視は許されません。
ダイハツは大いに反省すべきです。

しかし、国民が注視しなければならないのはそこでしょうか。

マスコミ報道は正しいのか

ジャニーズの報道の時も気になりましたが、マスコミ報道は感情に走り過ぎていませんか?
今まで、民放の立場からすれば、ダイハツはCM放送をしてくれるお客様でした。
一つ問題が発生すると、感情に任せて「不正を行った」「看過できない重大事件だ」等々の論陣を張ってダイハツを糾弾します。早々に街頭インタビューに出て、一般市民に対し今回の不正をどう思うか尋ねています。尋ねられた一般市民は、当然の様に「不安だ」「大手メーカーでも信用できない」「何を信用していいのか分からない」と云った反応を示します。
そう言う聞き方しかしていないので、当然の回答です。そうやって世論を誘導して益々ダイハツバッシングに拍車を掛けます。

はたしてこれが正しい報道のあり方なのでしょうか。

私が知りたい真実はここ

繰り返しますが、ルール無視したダイハツは許せません。

それはそれとして、私が本当に知りたいのは、ダイハツの車が危険なのか?と云う事です。
何十年も前から同じ不正を続けているのですから、十分データは取れているはずです。
ダイハツ車と他メーカー車と事故率とか死亡率にどの程度の差があるのでしょうか。
民放報道からはその件に関して一切の報道がされていません。
一社くらい、他メーカーと比較してダイハツ車はこんなに危険なんだとか、またその逆に、事故率も死亡率も他社と変わらないではないか、とか報道しても良いのではないでしょうか。
しかし、どこの民放も真相を掘り下げず、上辺だけの報道に留まって、視聴率を稼がんばかりにセンセーショナルな過熱報道をしています。
薄っぺらな報道を繰り返すから、TVがオワコン(終わったコンテンツ)と呼ばれてしまうのではないでしょうか。

もしも比較に差が無かったら

ここからは、普段私が感じている法律への不満です。
法律と云うのは一度作ると中々削除されません。法律は増える一方なのです。
民法とか人が関係する法律は、社会が複雑になるに連れ法律が増えるのはわかります。
しかし、技術は進歩するのです。今までは規制しなければ安全が保証出来ないような事項も技術革新によって規制そのものが意味をなさなくなる事もあるのです。
それでも法律は無くならない。
これって国が民間の正当な経済活動を阻害している事になりませんか?
174項目も不正してしまうのは、ここに原因があるのではないでしょうか。

うがった考えをするならば、ダイハツとその他メーカーの比較を誰もしないのは、全く差が出ないからではないでしょうか。
どこかのメディアがそこに注目して、ダイハツ車事故の追跡調査を行って事故率・死亡率を他メーカーと比較して欲しいものです。

新しい自動車開発に認定申請だけで4年も掛かっていれば、世界との競争に勝てません。
4年前のデザインで陳腐化した車が、1~2年で開発した新しい機構を取り入れた最新のデザインの外国の新車に対し、何を武器に競争すれば良いのでしょうか。

日本の工業技術が衰退していると叫ばれて久しいですが、理系人間を育てない、規制で雁字搦めにしている、国家の責任ではないでしょうか。

この記事を書いたプロ

福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(岡田一級建築士事務所)

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