秀光ビルドの家に調査に入りました
坪単価で契約すると騙されます
坪単価は、建物が完成した時点で、そこまでに要した費用の合計を延床面積で割ったものです。つまり結果なのです。
仮に、「坪単価〇〇万円で工事を請け負いますので契約しましょう」と云われたなら、余程信頼の置ける人でない限り騙しに来ていると思った方が無難です。
建売住宅等で、目の前に出来上がった建物があり、「この建物は坪〇〇万円です」と云うのは間違いではありません。テレビや車を買うのと同じで、出来上がっているモノを納得ずくで買うのです。この場合は請負契約ではなく、売買契約が成立します。
しかし、「これと同じものを坪〇〇万円で建てますよ」と云うのは、問題があります。「これと同じもの」で素人さんが確認出来るのは、壁の素材であったり、住設機器のグレードであったり、床材の質感であったり、表面的に目に見えるものに限られている為です。
耐震性能や、断熱性能を「これと同じもの」と云われても、一般の方には、確認する方法がありません。しかも、カタチになっていないモノを契約する場合は売買契約は成立せず、請負契約にしなければなりません。請負契約には、具体的な資料と数量を書き示した見積書と、具体的な性能を表現している設計図書が必須です。その具体的な内容を請け負うのは請負契約です。
口約束で、これと同じものを坪〇〇万円で建てますと云うのは、建築主にとって、不利極まりない契約方法で、仮に建築紛争がこじれ、訴訟事件に発展した場合、建築主の要望と何がどう違うのか、根拠を示す事が出来ません。
概算見積もりで、請負契約は出来ません。
概算見積もりとは、工務店が過去の経験から、これと同規模の建物を建てた場合、この程度の予算組で、建てられるであろうと予想した見積書の事です。
ですので、概算見積書は、建築工事をその金額で請け負う事を保証した見積書ではありません。実施設計図書を根拠に作成した、詳細見積もりとは、経験上、上下1割程度の誤差が発生します。
銀行ローンの申し込みや、資金計画に利用できますが、概算見積もりで工事請負契約を交わす事は出来ません。
仮に、「概算見積もりで契約を交わしましょう」と云われたら、工務店側に契約を急いでいる別な理由があると考えた方が良いでしょう。
中には、100ページくらいに及ぶ詳細見積もりと云って良いほどの見積書を、貰う事があります。しかし、概算見積もり段階では、設計図書は基本設計程度しか出来ていないのが一般的で、詳細な見積もりを起こせる根拠が何もないのです。と云う事は、その詳細な見積もりは建築主の要望を反映しているモノではなく、施工者さんが一方的に先走った見積もりで、それを根拠に工事を進められてしまうと、建築主の要望とは異なるモノが建ってしまします。
実施設計図書が無いと詳細見積もりは起こせない
建築主の要望を網羅した、実施設計図書を根拠に、詳細見積もりを起こさないと、建築主の要望する家は建ちません。実施設計図書と詳細見積もりが揃って初めて、建築主の要望がカタチになるのです。
請負契約は、影もカタチも無いモノに対して、値段を決めて、請け負う事を前提にした契約です。実施設計図書と詳細見積もりが無いと、建築主の要望を満たす、工事は出来ないのです。