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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

家の寿命は耐用年数では決まらない

2018年8月31日

テーマ:【賢い家造り】

コラムカテゴリ:住宅・建物

家は古くて危険だから建て直されるのではない


平成20年に行われた、建て替えを決断した理由についての、アンケート調査結果です。
家に悩んでいる方にとっては、それぞれ重要な問題点で、総合的に判断すると建て替えが最善の策となったのでしょうが、それぞれの理由については、建て替えほど大きな投資をしなくても、改修工事で済ませる事の出来る理由が殆どで、物理的に朽ち果てるまでには至らずに解体されてしまうケースがほとんどです。
アンケートに挙げられた理由の項目を総称して一言に集約するなら、家に飽きてしまったのです。

愛着心が家の寿命を決定します

飽きの来ない家造りは出来ないのでしょうか。古いものは全て飽きられてしまうのでしょうか。古いもの全てが飽きられてしまうのであれば、京都の町は存在出来ません。
京都の町が愛されるのは、そこに流行に流されない、伝統様式が存在する為です。木から鉄やコンクリートに素材が変わっても、京都の町のここかしこに伝統様式の一端を見い出す事ができます。
流行と様式は両方ともデザインに関する重要な言葉ですが、建築の様な寿命の長いモノに流行を求めると、飽きられてしまいます。寿命の長い建築を模索するのであれば、様式に頼るか、様式も流行も追いかけない、自分独自のデザインを追求することです。

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福味健治(岡田一級建築士事務所)

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