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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

住む土地の広さ

2018年5月25日

テーマ:【カフェテラス】

コラムカテゴリ:住宅・建物

土地の広さの本質

建てる建物の大きさは法律で制限されています。凡そですが二種類ありまして、一つは建ぺい率。そしてもう一つは容積率です。
建ぺい率を簡単に説明しますと、建物を建てた後、敷地内にどれだけスパースが余っているかの割合です。建ぺい率60%と云えば、建物を建てた後、4割以上のスペースを空ける様に定められているのです。
容積率は、敷地に対し何階建ての建物が建つかを定めた法律です。容積率200%だと仮に敷地に目一杯建物を建てたとすれば、二階建てが建つ計算です。実際は建ぺい率との兼ね合いで、3階建て一部4階建ての建物が建つ事になります。

建ぺい率。容積率だけで土地の広さが決められない

快適な家を求める場合、実は建ぺい率・容積率だけでは決められないのです。別に法律で定められている訳ではありませんが、周辺環境が重要な要素として浮上します。
それらは何かと云いますと、前面道路の広さであったり、眺望であったり、通風・採光と云った間取り計画で解決するには限界のある要素がそれです。延床面積30坪の家が欲しいと思えば、建ぺい/容積=60/200%の土地では二階建ての家を想定すれば、最低25坪あれば建てられますが、道が狭かったり、眺望が悪ければ快適な家にするのは至難の業となります。
逆に小さな土地でもちょっとした緑地が近くにあったり、歩道付の道路に面していたりすれば、景観としての建物にゆとりが生まれ、快適な家にする事は容易です。

関西地域は特に周辺環境が悪い

関東は、日本の全人口の二割が集中している過密都市の様に思いますが、実は関西の方が過密都市なのです。東京を中心に見ても、神奈川・埼玉・千葉ばかりかその奥の茨城まで平地が続きます。その分宅地として使える面積が広く道路や緑地がゆったりと取れるのです。大阪を中心に見た関西圏は東に生駒山、北に北摂山地、南に和泉山地と平野が続きません。宅地として使える土地が少なく、その分緑地が減り、道路も狭く住環境が悪いのです。
土地探しする場合は、その土地だけに固執せず、周辺環境を大切に土地選びして下さい。

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福味健治(岡田一級建築士事務所)

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