グルーミングルームのある間取り
音楽に例えると作曲家です。
建築家や設計事務所は一体何をしている職業なのかよく分からない。と云うお言葉を頂戴します。
確かに、大した宣伝もしませんし、商店街に開かれたお店を構えてる訳でもありません。
工務店さんに家の希望を伝えれば、そのまま家が出来上がりますし、一見、設計事務所なんて無くても家は建ってしまう様に思えてしまします。しかし、建築主の要望を咀嚼して、それをを図面化して施工者に伝える事の出来るのは、設計事務所が設計図を作成するから出来るのです。
すこし、比喩的な話しになりますが、音楽に例えてお話しをしますと、設計事務所は作曲家に相当します。何もないところからリズムと旋律を楽譜に表現していきます。
工務店さんは指揮者です。各楽器のスペシャリストをまとめ楽譜通りの交響曲を奏でます。大工さんや左官屋さんは各楽器の奏者に相当します。
つまり、設計事務所が図面を作成しない限り(作曲しない限り)何も始まらないのです。
中には器用な指揮者がいて、自分で作曲し指揮もするって云う人もおられるでしょう。シンガーソングライターの様に楽器演奏までやってしまう人もいるかもしれません。
しかし、設計事務所が行う仕事は決して片手間で出来るものではありません。建築関係法令を熟知し、構造設計を行い、設備設計を行い、ZEHや長期優良住宅の基準に精通して、尚且つ建築主の希望に沿うプランを作成するのは
設計事務所の排他的独占業務です。
技術的な裏付けの無い図面は災いの素
新聞広告やチラシ程度の簡単な間取りなら、少し勉強すれば素人でも描けます。しかし、専門家である建築士が描かない間取りは、上記に述べた様な技術的裏付けが何もありません。大きな地震が発生する度に新築の木造住宅が倒壊して話題になりますが、これは木造住宅が弱いのではなく、構造的な知識の無い者が好き勝手に間取りを作り、構造審査を、受けないまま建物が建てられてしまう為に起こる事なのです。
木造住宅には、今まで経験的に作られて来た歴史があるため、一朝一夕に構造計算を義務化出来ない政治的背景があり、特例と云う手段で、申請時の構造図書の添付を免除しているのです。
その為にいつまで経っても地震の度に、木造住宅は倒壊するのです。熊本地震でも多くの新築住宅が倒壊しました。中には耐震等級2の建物までもが倒壊しています。
今後30年の間に70~80%の割合で南海地震が発生します。設計費を浮かした為に、後々後悔する事の無い家造りを心がけましょう。