秀光ビルドの家に調査に入りました
建築基準法は個人所有の不動産に制限を設ける法律です。ですので「自分の所有している土地だから好き勝手しても誰にも迷惑はかけない」は通用しません。運転免許を持っていても道路交通法を守らないといけないのと同じです。自分は素人で難しい法律は知らなかったも通用しません。責任は設計者・施工者ばかりでなく建築主にも及びます。
当然、建築基準法の全てを知ってからでないと家は建てられないと言う訳ではありませんが、最低限の知識を持っていた方が、家に対する理解が深まりますし、営業マンのウソも見抜けます。
【いまさら聞けない建ペイ率・容積率】
土地にはどれだけの建物が建てられるのか制限があります。一つは建ぺい率でもう一つが容積率です。混同しがちで何が何だか分からない条項ですが、それぞれには意味があります。
●建ぺい率とは、土地にどれだけ空地を残すかを決める条項です。その空地には緑地スペースであったり建物以外のモノ(車等)を置くスペースとして利用されます。当然ながら空地スペースが大きくなるほど住環境は良くなり、逆に空地スペースが狭いと雑多な住環境になります。建ぺい率60%と云えば空地が40%必要だと覚えましょう。
●容積率とはその土地に人が何人住めるかと定めた条項です。ワンルームマンションや有料老人ホームの居室面積の標準は25㎡です。人一人が最低限の生活をしようと思えば25㎡は必要になります。4人家族であれば100㎡と云う事になります。100㎡で建ぺい率が60%の土地があれば平屋ですと60㎡の床面積しか確保できませんから、4人家族で住もうと思えば二階建ての建物が必要になるのです。100㎡で建ぺい率60%の土地に仮に100人が住もうと思えば2500㎡の床面積が必要になり、建ぺいの60で除すれば42階建ての建物であれば収容できる事になります。しかし、実際にその様な事をしてしまうと、給排水浄化設備や電気ガス設備と云ったインフラがパンクしてしまいますので、延床面積に制限を設けています。100㎡の土地があって建ぺい率60%容積率200%の土地と云えば、他に制限が無ければ総三階建て一部四階建ての家が建てられる事になります。その場合行政はインフラを整備するのに100㎡の土地に8人が生活しても支障のないだけの容量を設定しているのです。