建築資材の価格上昇はどの様に現れるか
既存住宅の評価を適正に行うガイドラインが必要になって来て平成28年5月に閣議決定により既存住宅調査のガイドラインが発表されました。
住宅調査(ホームインスペクション)
今までに、中古住宅の売主からは
○大事にしてきた住まいを正当に評価されていない。
○引渡後のトラブルが不安
買主からは
○購入予定物件を専門家に調査してもらいたい
○建物に瑕疵がないのか不安
と云った不満の声が上がっていました。
それらを解消する為、政府主導のガイドラインが発表されました。ガイドラインに沿った住宅調査を行い、建物検査に適合すれば「既存住宅かし保証保険」を付帯できます。(買主様任意加入)
住宅調査は万能ではない
今までの不動産取引は、建物に関しては減価償却期間を目安に価値を判断していました。その為いくら健全に建物を管理していても、築後30年を経過すれば殆ど土地値となり、正当に資産価値を評価された家とは言えませんでした。それをを考えれば画期的な政策ですが、これが万全という訳ではありません。
例えば、ガイドラインが示している住宅調査は目視調査を主体とした非破壊検査ですので、調査内容に限界があります。人間に例えれば健康診断の様なもので、悪い事は分かってもどこまで悪いのか、補強・改善するのにどの程度の費用がかかるのかと云った処は判断できません。
また、その建物の文化的価値を判断する基準が示されていません。将来的に文化財になりそうな名匠が残した数寄屋建築でもそれを正当に評価す基準が示されていません。
ともあれ、中古市場の流通と云う観点に立てば、今回のガイドラインは評価できる試みで、今後の利用拡大に期待します。