マイベストプロ大阪
福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

身近にある危険

2016年7月7日

テーマ:【カフェテラス】

コラムカテゴリ:住宅・建物

大阪は南港のATC(アジア太平洋トレードセンター)。一時は経営破綻したけれど、最近は業績も持ち直しテナントも入場者数も増加傾向にあるとか。1994年の建設で22年経過するので建物は古びたけど周辺の樹木は大きく成長しています。

海沿いにあるステージ状の腰掛の周辺の木々が大きく育ち、適度な木陰を作っています。海風は思いのほか涼しく35度を超える酷暑日の午後とは思えません。

ワシントンパームツリーの並木も大きく育ち、カリフォルニアのビーチと見紛うばかりです。

ここからが本題

一階の天井部分の吹き抜けの取り合い部分に、何やら布状のものが垂れ下がっています。これは防炎垂れ壁と言って一階で発生した火災の煙が吹き抜けを通じて上階に上がらない様に、火災時には天井からスルスルと下がって垂れ壁をつくります。
しかしこの映像。
故障しているのか一か所だけみっともなく途中まで下がっています。

これで火災時に正常に作動してくれるのでしょうか。運営が正常化しても建物のメンテナンスが正常でなければ経営は成功とはいえません。
この手の問題は災害が発生してから、評論家なり知識人がもっともらしく管理体制を批判したり、法律改正を叫ぶのですが、我が国は災害が発生する前にアセスメントする能力が欠けている様に思います。何も起こらなければ何も言わないのではなしに人命に関わる問題は、誇大妄想だと思われるほど発言して丁度良いのではと考えます。

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福味健治

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福味健治(岡田一級建築士事務所)

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