木造住宅の「構造計算は不要」を信用してはいけない
一人暮らしの老人の孤独死が話題にもならなくなりましたが、実年世代の方から年老いた親と一緒に住みたいと云うご相談が多く寄せられています。
若い世代の方からの相談はあまりありません。将来もしも同居となった場合に備えて一部屋欲しいとか、増築スペースを残したいと云った程度です。しかし50代60代となると親御さんも相当な高齢で、また勢いも無くなっていますから、若い時ほど同居の摩擦が起こらなくなっているのでしょう。
若い世代の同居ではライフスタイルが違いすぎたり、親も元気ですから子に干渉し勝ちで摩擦も大きいのでプラン上も一階と二階で完全に分離型にするとか、思い切った間取りにしますが、実年世代の同居はそうでない様です。一人での生活が苦しくなった親に自分たちがどれだけ寄り添えるかを重視します。子供世代も親に干渉されて、気まずくなるような年齢でもない事が大きな要因です。
逆に本人と子供の関係は、まだ自分たちは子供の世話になりたくないと考えています。親の気持ちも判るし子供の気持ちも良く解る。そんな世代が実年世代なのでしょう。
長生きの親は有難いもので、自分たちの寿命もなんとなく親と同じくらいまでは元気で過ごせるのではないかと漠然と考えてしまいます。長寿が有難い事はこの辺の心情が根ざしているのでしょう。
しかし、私は最後はやはり国家ではなく子が親の面倒を見るものだと考えます。来年は公共投資を10%削減して、介護福祉に回すそうですが、これは逆ではないかと思います。高速道路やトンネルと云ったインフラが一斉に耐用年数を迎えようとしている時期に、国家としてどちらに税金をつぎ込むかを考えた場合、冷徹な判断を下す方が健全ではないでしょうか。