食博の歩き方
土地購入の相談を持ちかけられた時、法律上の規制や周辺環境を調べるのは勿論ですが、古くから人が住む地域であれば、その昔、この地域で何が起こったかが知ることが出来ます。古文書等で過去の地震や洪水の記録が残っており、家づくりの参考になる場合があるのです。
仕事でたまたま、京都の伏見区を調べていますが、伏見区は鴨川・宇治川・木津川・桂川と大きな河川が付近で集約しています。それらの川は一本になり淀川と名を変え大阪湾に注いでいます。
地形的には、扇状地または氾濫平原で、大阪湾から40kmほど入り込んだ場所にもかかわらず、海抜20m前後の場所が多いようです。また直ぐ南側にかつて、巨椋池と云う大きな池があったことからも、昔から度々洪水に悩まされていた地域であることが判ります。
最近では昭和10年に水害があり、鴨川に掛かる名だたる橋が流されています。平時は水運に恵まれ商業が発達し、江戸時代は全国諸藩の藩邸が設けられていました。
この付近の河川の川筋は、時代を遡ると様々に変化します。それは洪水により自然に変わった事もあれば、治水目的に人為的に付け替えされた事もあったようです。昭和10年以降目立った水害はありませんが、大河の集約するところ、内陸の割に海抜が低いところと云う事を考えれば、水害対策を念頭に建設計画を練る必要があるかと思います。