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コラム
光触媒と紫外線
2013年1月23日
光触媒は光合成と逆の働きを行います。光合成は葉緑素が、紫外線を浴びて空気中の二酸化炭素と水を合成させて、有機物と酸素を創りだす作用です。葉緑素の中の葉緑体と言う酵素が無機物から有機物を作る触媒の働きをしています。
光触媒で葉緑体の代わりをするのが、酸化チタンが多く用いられています。酸化チタンが紫外線を浴びて有機物と酸素を使って、水と二酸化炭素に分解します。ここで分解に使用する有機物が汚れの原因の油煙等の煤です。高速道路の蛍光灯のガラスに酸化チタンを塗りますと、排気ガスの汚れがガラスに付着しません。付着しても分解して、二酸化炭素と水に変化します。
二酸化炭素は気体となって空気中を漂い、水は細かい粒状に表面に付着して、雨が降った時、有機物以外の汚れが洗い流れるのを助けます。
ここまで書くと、メンテナンスフリーの外壁が出来るのではと期待しますが、中々そうはいきません。光触媒は、紫外線が当たらないところでは何も起こりません。また紫外線を十分浴びても、汚れを分解する能力は大きくありません。大都会の高速道路のトンネルの中だと、汚れの付着速度が分解能力を上回りどんどん汚れてしまいます。
家の外壁でも均一に汚れが付着するわけではありません。窓下の隅部分などは特に汚れやすいところです。汚れのひどくない部分は綺麗で、汚れやすいところは益々汚れてしまうと云う、返って汚れが目立つ結果となってしまいます。
また、有機物ならなんでも分解してしまいますので、有機系の塗料の上に光触媒を塗ると塗料が禿げてしまいます。今後の光触媒の技術革新に期待しましょう。
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