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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

1000万円で家は建つか?

2012年11月10日

テーマ:【カフェテラス】

コラムカテゴリ:住宅・建物

30坪程度の木造二階建ての家を1000万円で建てる事が可能でしょうか?手抜き工事は嫌ですし、自然素材も使いたい。そんな問いかけを誰にどの様にすれば良いのでしょうか。

これは、とりもなおさず、1000万円の総予算を30坪のどの部分に費用を配分していくのかと云う事に他なりません。
手抜き工事は嫌ですが、何を以って手抜きとするかが最近では曖昧になって来ています。これから建てる家は大地震に必ず遭遇する事を前提として建てなければ後悔します。建築基準法の構造規定は、想定された地震に耐え得る最低の基準を定めたものです。建築基準法さえ守っていれば大きな地震が来ても大丈夫と云う時代ではありません。その事を知っていながら建築基準法の規定しか守っていない事は、法的責任の及ばない手抜き行為に等しいと思っています。ですので、ここを切り詰めて予算を浮かす訳には行きません。もっと積極的に耐震等級は高等級を取得するとかの積極的な姿勢が必要となります。

今までは1000万円の予算を、構造:仕上げ:設備=4:3:3程度の比率で配分して来ましたが、今後は構造と仕上げに費用を掛けるべきかと思います。仕上げと云っても表面の仕上げではなく断熱材とか下地材に掛ける費用です。東日本大震災以後電気依存の生活は見直されて来ています。家そのものの断熱性能を良くして、力任せに室内を暖めたり冷やしたりしなくても良い家造りが求められています。

と云う事は随分と、表面の仕上げと設備に予算のしわ寄せが行ってしまいます。例えばユニットバス・システムキッチン・便器・洗面台と云った住設機器を、全てで100万円以内で納めるとかが可能であれば1000万円の家も夢ではないでしょう。それには強力な協力者が必要です。ネットで激安サイトを探すのも方法ですが、郵送料・保管料・取り付け費用を考えれば決して激安でもありません。

表面的な仕上げは、出来るだけ安価に抑えることです。出来れば自分でやるくらいコスト意識が高ければ1000万円の家も道が開けて来ます。

貴方にローコスト住宅が向いているかどうか、客観的なご意見を聞きたいと思われるならお気軽にお問い合わせ下さい。

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