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コラム
「東京散策」スカイツリーと玉川上水
2012年4月21日 公開 / 2014年5月23日更新
隙間があれば、高いところに上れば、東京の何処からでも見えるスカイツリー。その存在感は圧倒的です。
初めは、カタチに魅せられます。三角形の底辺から徐々に円形に変化するフォルムの美しさと大胆さ。その美しさに見惚れて近くに寄るとまた別の驚きを見せます。曲面と曲面を溶接で繋ぎ合わせるその技術。一般に考えるほど簡単ではありません。溶接すると、基材が膨張します。膨張した状態で溶接が進みますから、溶接が完了して基材が冷えてくると収縮を始めて、接合部に溶接歪みが生まれます。その歪みを直していかないことには、当初のカタチにはなってくれません。スカイツリーはその連続体なのです。唸ったまま暫くツリーの麓から動けませんでした。
平成の一大事業として、後世まで圧倒的な存在感と共に受け継がれて行くだろうと思います。
場所は変って西東京。
江戸時代の一大事業を見てきました。玉川上水です。
江戸時代、江戸の水不足を解消させる為、多摩川の上流から水路を切り開き、江戸の市中に水を引きこむ土木工事です。その延長は40kmを越え、今でもその一部は現役で使われています。上水の横が並木道になっていて、木の大きさ、古さがこの上水の歴史を物語っています。断続的にはなっていますが、この木のトンネルにも圧倒されます。元々は人の植えた並木ですが、今は自然と同化して命あるものの美しさを示してくれます。スカイツリーが如何に素晴らしくても、元々が命の無いもの。出来た時が最も美しく、後は人が手を加えない限り、朽ちるしかない運命です。
何百年と美しさと機能を保っている、玉川上水の見事さに別の意味で感銘を受けた旅でした。
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