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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

サスティナブル(持続可能)な家造り

2012年4月9日

テーマ:【住宅再生】

コラムカテゴリ:住宅・建物

●日本人は何故豊かさを享受出来ないのか?
欧米先進国と日本の豊かさの差は、居住費にあります。欧米先進国の住居の耐用年数は50~80年です。スクラップ&ビルドを繰り替えていている様に思えるアメリカでさえ50年前後の耐用年数を維持しています。また、家に手を加えれば加える程価値が上がるとも云われています。
それに引きかえ日本の住宅事情は、25年経てば無価値と見なされ、古いと云う理由だけで解体されて、更地になっています。

●新築に傾倒する購入意識
購入者の意識も新築に目が行き、中古住宅には向きません。インフラが整備され価格も安いのに関わらず、耐震性・使い勝手・温熱性能等が新築に劣る為敬遠されています。また、成熟した住環境よりも、同世代が多く住む新興住宅街に人気があつまる傾向もあります。

●継承出来ない不動産
親世代が、築いた不動産を子供が継承せず、また新しい住宅ローンを組んで不動産を手に入れる事が繰り返されています。これが、住居費にお金が掛かり過ぎる原因となっています。
親世代が築いた財産を子世代が継承できないでいるのです。

●このままでは国家財政が破綻する
核家族化に伴って子供が親の面倒をみず、高齢者介護の問題も表面化しています。これから国を支える人口が減少していくのに、今のままの福祉を維持できるとも思えません。
同居ではない、親世代との一緒の住み方があるのではないでしょうか。

●親世帯二世帯と子世帯の家
現状で最も多いパターンは旦那の親と同居するスタイルです。この住まい方が同居と云う言外に暗いイメージを含みます。旦那の妻である前に家の嫁と云う立場を強いられます。
次に多いパターンが嫁さんの実家に旦那が住むスタイルです。マスオさんと呼ばれ旦那の立場が軽く扱われてしまいます。
これからの高齢者問題は子供夫婦で、4人の親の面倒を見る時代になることです。その為の住宅のあり方があるはずです。何世代もが同居して、元々他人同士の親世帯も一緒に住める様な家造りが、親の財産を継承出来て、高齢者福祉問題も解決出来て、サスティナブルな家造りとなるのではないでしょうか。

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