ローコストなエコの家の7年後
モノが売れない時代になって、製造業の大多数の人々は不況に喘いでいます。お金の値打ちが上がって、商品が氾濫している時代です。そう云う目で世間を見回すと、世の中の殆どの商品がレディメイドです。車にしても、洋服にしてもレディメイドが主流です。ディーラーのショールームに行って買おうとする車を見たり、乗ったりして気に入れば買う。洋服にしても試着して気に入れば買う。と云う事が日常化しています。
レディメイドのメリットは、この車・洋服の買い方を見ていれば良く判ります。買う製品に対してそれほど知識がなくても、現物が目の前にあるのですから、気に入れば買うが常識となるのです。
また、車にしても洋服にしても、自分の好みに合った、自分のスタイルにフィットしたモノをオーダーメイドで作るとなれば、どれ程費用が掛かるか判りません。レディメイドで大量生産するから、お手頃価格で買えるのです。デフレの世の中ではありますが、この費用の問題が、レディメイドを主流ならしめている根本かと考えます。
話しを変えて、家の場合はどうでしょう。
家のレディメイドは分譲住宅や住宅展示場に見られる様なハウスメーカーの住宅です。なるほど現物は見ることが出来ますが、住み心地や、光熱費・耐震性能までは判りません。また、レディメイドの最大のメリットである価格はどうでしょうか?住宅展示場に行って「この建物は坪幾らですか?」と質問すると、低価格住宅を売りにしているメーカーでも70万/坪を下りません。
オーダーメイドでも造り方一つで、50万/坪を切る住宅も普通に出来ます。住み心地は建築主のライフスタイルに合わせて造り上げるのですから、悪いはずがありません。光熱費や耐震性能も、今は数値で性能を指定出来る様に法律で整備されています。「丈夫な家」「暖かな家」と云った抽象的な言葉でなく、耐震等級3とか温熱等級4とか数値で買う側が指定出来る時代です。
家に関して云えば、レディメイドで蒙る恩恵は殆どありません。昨今の年間着工件数は70万戸前後で推移していますが、知名度のあるハウスメーカー全社合わせても10万戸も建設していません。
建売住宅を合わせても、全体の半分まで達していません。あとの半分は地場の工務店さんが頑張ってオーダーメイドの家を建てているのです。
初めから注文建築は高くて無理と思うのはナンセンスです。