親との同居

福味健治

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テーマ:【賢い家造り】

住まいの間取りは、家族構成により全く異なります。将来の事を見越して計画する事も視野に入れますが、全てを想定した場合の家なんて、敷地と予算を常識的な範囲で考えるならば不可能なことです。
また、ライフサイクルを考えて間取りを計画する事も、実は非常に難しい問題なのです。自分の老後だけを考えて、間取りを計画しても、今の自分にフィットする家にはなりません。親が子供服を買う時の心境で、直ぐにそうなると予想できる範囲がプランの限界です。

何かあれば、親と同居しなければならないと考える人が大勢います。
何かあれば、親と同居と考える「何か」とは何でしょう。
親が自分の身の回りの事が出来なくなった時と云う事でしょうか?
片親になったらと云う事でしょうか?
親が同居を望んだらと云う事でしょうか?
この何かを考えるだけでも、間取り構成は全く違ったものになります。
親の気持ちになって子供の家に同居する事を考えてください。
もしも親の立場ならどう切り出しますか?
自分達が生活に困り日々の身の回りの事が出来なくなってから、子供の家に転がり込む様な事を選択するでしょうか?
私であれば、もし体が不自由になれば子供に迷惑を掛けたくありません。
さっさと施設に入ります。最近は年金さえあれば、入れる施設なんて幾らでもあります。

本当に親が子供と同居したいのなら、子供の負担に出来るだけならない方法を選択するでしょう。
例えば、親の代わりになって孫の面倒を見て、子供世代が共稼ぎ出来る様に家事をするとか、年寄りが年寄りとして生き甲斐を見つけられる様な同居の仕方を考えます。
そして、自分達が住む場所は今までの自分の財産を処分して増築を考えるでしょう。親の名義で家を増築しても将来、それも近い将来に子供の名義になるのですから、その辺の遠慮はしないと思います。
その為に居間が少し暗くなっても、庭が狭くなっても、それに見合う何かを家族に提供しようと考えるでしょう。自分達が死ねば、増築部分を取り壊して、元の庭に戻してくれとも言い添えるでしょう。
子供がそれくらい親に甘えないと、親は同居してくれないと思います。
今から、親のことを考えて、親の部屋を造ったところで、すんなりと親は同居してくれません。それよりも、現状の家族構成を考えて何がベストの間取りなのか、近い将来どれがベストの間取りになるのかを考える方が、暮らしよい間取りとなるでしょう。

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福味健治
専門家

福味健治(一級建築士)

岡田一級建築士事務所

どうして良いか判らない貴方の為に、私はここにいます。まずは、お友達になりましょう。そして悩みや夢を語り合いましょう。理想の家造りはそこから始まります。私は友達を裏切りません。無料相談大歓迎。コラム必見

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