簡単に水平を測る方法。簡単に直角を出す方法。
今年は、春先から激動の年となってしまいました。震災から9ヶ月を経過した今でも、避難所や仮設住宅で暮らす人々のことを思うと心が傷みます。
皇族の方たちが、避難所を回られて多くの被災者に暖かいお言葉を掛けておられました。
あの広く寒々とした空間の中でも、心が温まる光景でした。
体育館や公民館は避難所に指定されていますが、体育館や公民館は地震や災害に強い構造なのでしょうか?屋根が丸いのと関係があるのでしょうか?
柱と柱の間隔をスパンと云います。柱と柱を繋いでいる横架材は梁と云います。
スパン間隔が短ければ梁は背の低い小さなもので済みますが、スパンが広がれば梁背をどんどん大きくしなければ、撓んでしまい、二階や屋根を支える事が出来ません。しかし梁を大きくすることにも限界があります。
一定以上のスパンになると、今度は梁の自重で梁が撓んでしまう為です。木造住宅の場合、スパン間隔の限界は4m程度です。
それでも、最近は木造の公民館や体育館が出来ていますよね。中にはスパン間隔が60mと云う大規模なものまで出来ています。
その秘密があの屋根の丸さです。
仮に屋根が平らだと、梁と同じ様に屋根の重さが屋根の中央で最大となり屋根が撓んでしまいます。屋根をカマボコ型や貝殻の様なカタチにすると屋根の自重が中央に集まらず、周囲に分散して屋根を支える柱にスムーズに流れて行きます。
柱の無い大空間が欲しい時に、安価で材料をどれだけ少なく出来るか色々な架構法が考案されています。
東京の代々木体育館は吊り橋の様に両端に塔を設け、ワイヤーを渡してそれを支えにして屋根を掛けています。
大阪万博のお祭り広場は立体トラスと云いまして、三角錐で平面を構成した様な構造で空間を確保しました。
東京ドームは空気圧を利用して屋根を膨らませています。
体育館や公民館の屋根が丸いのは、柱の無い大空間を確保する為です。丸さは縦方向の力を分散させるのが主な目的で、丸さの形状そのものは特に横揺れに強いと云う訳ではありません。避難場所に指定されるのは、一度に大勢の人を収容出来る為です。
今日で平成23年も終わろうとしています。
来年こそ、私たちにとって良い年でありますように・・・・