ローコストなエコの家の7年後
しっかりとした施工をすれば、漏水の心配はないかと思います。コンクリート打ち放しと云っても、屋上(屋根)はしっかりと防水工事を行いますし、窓等の開口部廻りに気を配っていれば雨水が浸入することはありません。壁の鉄筋の間隔がバラバラで歪な応力が壁に発生しない限り、コンクリートを貫通するようなクラックは発生しません。
汚れも、汚れることを見越してデザインしていれば、年月を経るに従って深みのあるものとなるでしょう。倉敷国際ホテルは、以前外壁の半分以上がコンクリートの打ち放しでしたが、美しく汚れると評されて、築後十数年を経て建築デザインの賞をもらっています。今は経営者の意向か他の理由があったのか知りませんが、塗装されてしまってますが・・・
また、湿度・温度の問題は他の仕上げを施している建物に比べれば目も当てられません。梅雨時になると建物の内側に結露が発生するでしょう。特に仮枠に剥離材をたっぷり塗って、ツルツルに仕上げたコンクリートは結露水が床に溜まるほど結露することが懸念されます。
コンクリートは比熱が大きく熱を溜め込む性質があります。と云う事は夏の昼間、太陽に晒されてどんどん熱を吸収して、夜になると室内側に熱を放出することになるのです。恐らく一晩中クーラーは欠かせないでしょう。
以前大阪の郊外にある超有名な建築家のコンクリート打ち放しの建物を見学する機会がありまして、繰り返し発生したと思われる結露痕を見つけました。また空調機をフル回転しているにも関わらずガラス面の多さからか、扇子なしでは過ごせませんでした。
デザイン重視で、故障し易い外国のスポーツカーでも乗り回せる位の心のゆとりがあれば、コンクリート打ち放しも良いですが、その覚悟が無ければお勧め出来ません