ハウスメーカーと私の家造りの違い
ゲド戦記よりましやったらええか・・・ぐらいのつもりで見に行きました。
末娘の感想は、「昼メロみたい」とのことでしたが、時代背景が懐かしく中々見入ってしまいました。
時代設定は昭和36~7年の横浜。海の見える坂道、コクリコ坂に立つ明治期に建てられた洋館で下宿屋を営む家の娘が主人公。
家庭事情の複雑さが昼メロ風でしたが、そこには目を向けず、通う学校の雰囲気が、当時の学生気質を絶妙に醸し出していました。
カルチェラタンと称する部室棟の解体話しを巡って話しは進みますが、行動すればなんとかなると云う全共闘以前の学生のバイタリティーが感じられました。
全共闘以降は、体制に逆らえば社会から抹殺されてしまうことに怖気づいたのか、一気に学生のバイタリティーが失せてしまいます。
昭和30年代の学生が、今の政治腐敗を見たら絶対に見過ごしていません。デモが起こり騒乱状態になっていたでしょう。そのバイタリティーが昭和40年代の高度成長の源流になったと云っても過言ではありません。
今の学生に云いたい。学生よもっと怒れ!!
学生の気質を出すのには成功していましたが、街の時代考証に疑問が少し^^
主人公がコロッケを240円で買うシーンがありましたが、支払ったのはコイン。当時なら百円札が主流でした。
朝のラッシュアワーを表現するのにも車の数は多すぎます。当時はもっと少なく、もっと飛ばしていました。ノロノロ運転になるのは40年代に入ってからです。
主人公の母親がアメリカから帰ってくるシーンがあって、時差ぼけで目が冴えて眠れないと云う下りがありましたが、当時はまだ飛行機による航路は開設されていません。海外旅行が自由化されたのは昭和39年以降です。
昭和30年代の皆さん、暇があれば見てください。妙に懐かしいですよ^^