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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

バーチャル世界で建築シュミレーション

2010年5月14日 公開 / 2014年5月23日更新

テーマ:【カフェテラス】

コラムカテゴリ:住宅・建物


2~3年前に日本中で話題になったセカンドライフ。

実世界で出来ることの殆ど全てが出来ると云う事で、第三世代のインターネットに成長する可能性も囁かれました。
セカンドライフはコンピューターの中の仮想空間に自分の分身(アバター)をおいて、そのアバターに家を建てさせたり、その家に住まわせたりと、間取り図だけでは検証することの出来ない立体感を仮想体験出来るのです。もちろんネットゲームの様に他の人とも交流が可能です。遠くて実際は会えない人とでも、その仮想空間を通じて会うことが出来ます。しかも全てタダで出来るのです。

しかし、操作の難しさや、ハイスペックなグラフィックボードが要求される事もあり、また、ネットゲームの様に敵を倒すとか目的が特に有る訳でも無い為に次第に騒がれなくなり、今では殆ど話題にされる事も無くなりました。

セカンドライフを利用したコミュニティーはある程度定着していて、ごく限られた人達の間では需要はあるようです。ログインする時にログインしている人数が確認出来ますが、常に4~5万人が利用しているようです。

私は、この仮想世界で、実際に建築する前にシュミレーションを行っています。ここでは出来たモノを壊したり、変形させたり、取り替えたりが簡単に行えますので、私の様な仕事をしている人にはまたとないオモチャです。

法律が厳しくなり、昔の様に工事途上で変更工事が出来ませんので、事前の確認作業は今まで以上に重要になって来ています。
建築主にもセカンドライフにログインしてもらえれば、お互い移動時間を節約してしかも、現物(バーチャルですが)を目の前にして打合せが出来るのです。

先日富山県のデザイン事務所より構造設計の依頼があり、セカンドライフを利用して、構造模型を作成して打合せを行いました。どちらも事務所からログインしていますので交通費と移動時間の節約が可能になりとても満足出来ました。写真はその時に利用した上棟時の構造模型です。この模型の中に入ったり、廻りから眺めたり天井の高さを検証したり、梁の大きさを決めたりしました。

これからは、ネットゲームに馴染んでいる人たちが住宅購入層になって行くでしょう。そうなればセカンドライフで家を建ててから、実際の家を建てるのが常識になる日が来るかも知れません。

この記事を書いたプロ

福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(岡田一級建築士事務所)

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