中古マンション、契約後にキャンセルできる?
中古マンションを買うとき、物件価格やローンの金利はしっかり確認しても、「前の持ち主が管理費をきちんと払っていたか」まで気にされる方はあまり多くありません。
ところが、ここを見落とすと、買ったあとに思わぬ請求が届くことがあります。
今回は、売主の管理費・修繕積立金の滞納と、買主が確認しておきたいポイントをお話しします。
①滞納分は「買った人」にも請求できる
マンションの管理費や修繕積立金は、管理組合に対する区分所有者の支払い義務です。
区分所有法8条では、これらの債権は前の所有者だけでなく、その住戸を取得した「特定承継人」、つまり買主に対しても請求できると定められています。
「滞納したのは前の持ち主なのだから、自分には関係ない」とはならないのです。
買主が立て替えて払った場合、売主に返してもらうよう求めることはできますが、売主がすでに遠方へ引っ越していたり、資金に余裕がなかったりすると、実際に回収するのは簡単ではありません。
ですから大切なのは、買う前に滞納の有無を確認し、引渡しまでに清算してもらうことです。
②「重要事項調査報告書」で数字を確認する
売主の言葉だけで「滞納はありません」と判断するのは危険です。
仲介会社は通常、マンションの管理会社に「重要事項調査報告書」(名称は管理会社により異なります)の発行を依頼します。ここには、管理費・修繕積立金の月額、その住戸の滞納の有無と金額、建物全体の修繕積立金の残高、大規模修繕の予定などが記載されています。
宅建業法35条の重要事項説明でも、管理費・修繕積立金の額に加え、滞納がある場合はその額が説明の対象とされています。
ただ、重要事項説明は契約の直前に行われることが多いので、購入を真剣に検討する段階で「調査報告書の内容を先に見せてください」と仲介会社に頼んでおくと安心です。
あわせて、建物全体で滞納が多くないかも見てください。滞納住戸が多いマンションは、修繕積立金が予定どおり貯まらず、将来の値上げや一時金の負担につながることがあります。
③滞納があったら「決済の日」に清算する
以前、大阪市内の築30年ほどのマンションをご案内したお客様のケースです。
調査報告書を取り寄せたところ、売主様が修繕積立金を半年分、約12万円滞納していることが分かりました。売主様に悪気はなく、転職の時期に引き落とし口座の残高が足りなくなっていたとのことでした。
このときは売買契約書に「売主は引渡しまでに滞納管理費等を清算する」旨を明記し、残金決済の当日、売買代金の中から滞納分を管理会社の指定口座へ直接振り込む形をとりました。
お客様は滞納を引き継ぐことなく、売主様も手元の資金を用意せずに済み、双方が納得して引渡しを終えられました。
大切なのは、滞納そのものより、それを「いつ・誰が・どうやって」清算するかを書面で決めておくことです。
まとめ
中古マンションでは、前の持ち主の管理費・修繕積立金の滞納が、買った人に引き継がれる仕組みになっています。
・重要事項調査報告書で、住戸と建物全体の滞納を数字で確認する
・滞納があれば、売買契約書に清算方法を明記する
・決済当日に売買代金から清算し、管理会社への入金を確認する
この3つを押さえておけば、余計な心配をせずに新しい暮らしを始められます。
「この物件、管理費の状況はどうなっていますか?」と、遠慮なく担当者に聞いてみてください。それに丁寧に答えてくれるかどうかも、仲介会社を見極める材料になります。
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