中古マンション、買った後の維持費はいくら?
「パンフレットには42㎡と書いてあったのに、住宅ローン控除が使えないと言われました」
大阪市西区で不動産仲介をしております、重村です。中古マンションの購入相談を受けていると、面積の表示をめぐってこうした行き違いが起きることがあります。今回は、物件選びのときはあまり意識されない「面積の測り方」についてお伝えします。
①パンフレットの面積と登記簿の面積は、測り方が違う
マンションの広告やパンフレットに載っている面積は、多くの場合「壁芯面積」と呼ばれるもので、壁の厚みの中心線から測った面積です。一方、登記簿に記載されている専有部分の面積は「内法(うちのり)面積」といい、区分所有法上の専有部分にあたる、壁の内側の実際に使える範囲を測った面積です。壁芯面積は内法面積より数%〜10%程度大きく出るのが一般的で、パンフレットで42㎡と書かれていても、登記簿上は38㎡台ということが実際にあります。
②床面積の基準は、令和8年度税制改正で変わった
住宅ローン控除(租税特別措置法上の住宅借入金等特別控除)の床面積要件は、これまで新築住宅に限り「40㎡以上」の特例がありましたが、令和8年度税制改正により、令和8年(2026年)1月1日から令和12年(2030年)12月31日までに入居する住宅は、新築・既存住宅(中古)ともに床面積40㎡以上で対象になりました。既存住宅の床面積要件が10㎡緩和され、新築と同じ基準になった形です。ただし合計所得金額1,000万円を超える方や、子育て世帯・若者夫婦世帯向けの上乗せ措置を利用する場合は、従来どおり「50㎡以上」の要件が適用されます。この床面積の判定に使われるのは登記簿上の内法面積で、パンフレット表示では40㎡(または50㎡)を超えていても、内法面積では基準に届かず控除の対象外になってしまうケースがあります。ご自身がどちらの基準に該当するかは所得・世帯状況で変わるため、税理士または税務署への確認をお勧めします。数十万円単位の控除が使えるかどうかが、壁の測り方ひとつで変わってしまうことがあると、購入前に知っておいて損はありません。
③契約前に確認する方法は簡単
物件を気に入った段階で、仲介会社に「登記簿上の面積」を確認してもらう、または法務局で登記事項証明書を取得すれば、内法面積はすぐに分かります。住宅ローン控除などの利用を考えている場合は、パンフレット表示の面積が基準ぎりぎりの物件ほど、契約前の段階で必ず確認しておくことをお勧めします。
まとめ
面積は「広さの目安」であると同時に、税制優遇の適用可否を左右する数字でもあります。令和8年度改正で基準は緩和されましたが、所得や世帯構成によって40㎡と50㎡のどちらが適用されるかが変わる点は要注意です。パンフレットの数字だけで安心せず、登記簿上の内法面積を早い段階で確認する――それだけで、後から控除が使えないと分かるショックを避けられます。住宅ローン控除の適用可否そのものの最終判断は税理士・税務署の領域ですが、面積の違いと基準をあらかじめ分かる言葉でお伝えするのは、私たち不動産会社の役割だと思っています。
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