自己開示とは?人間関係を深める心理学的アプローチと実践法

小橋広市

小橋広市

テーマ:自己開示

なぜか話しやすい人がいる。
不思議と心を開ける人がいる。
その違いは、ほんの少しの“自己開示”かもしれません。自分のことを少し話すだけで、相手との関係性に変化が起きる。そんな経験をもとに、「心の窓」が開く瞬間をお伝えします。

「自分のことは、自分が一番よくわかっている」そう思っていた時期がありました。けれど、自己啓発の本や心理学の学びを深めるうちに、「実は自分のことこそ、よく見えていない」という現実に気づかされるようになりました。

私自身もそうでしたが、多くの人が「そんな自分の“見えていない部分”が、まさか人生そのものに影響するなんて」そうは思っていないのです。私にもたくさんのブロックや劣等感がありました。それは、ごく日常の会話の中に隠れていたり、家庭環境や学歴といった背景にも潜んでいたりしました。

例えば、若い頃にはまったく気にしていなかった容姿。年齢とともに変化していった体型や髪の量「ハゲ」や「デブ」といった言葉に、過剰に反応してしまう自分、それは、無意識のうちに“自分のコンプレックス”を、他人に投影していたのだと思います。

ですが、数年前から少しずつ変化が訪れました。きっかけは、パートナーの考え方に触れるようになってから。私の中で少しずつ「劣等感」がほどけていったのです。そして気づいたことがあります。自分の秘密を開放(自己開示)していくと、他者からの理解や共感が、自然と返ってくるということ。

これは、心理学でいう「ジョハリの窓」の考え方にも通じます。ジョハリの窓をやさしく説明すると、私たちの心の中には、自分も他人も知っている部分」もあれば、「自分だけが知っている秘密」もあります。その“秘密”を少しだけ人に話すと、相手はあなたをもっと理解できるようになります。そうやって、他人との距離が近づきます。
ジョハリの窓
つまり、秘密を打ち明けることで、心が軽くなり、人間関係も深まっていく。無理に話す必要はありませんが、少し勇気を出して話すことで、自分にも相手にも良い変化が生まれます。そんな小さな一歩が、信頼のきっかけになります。

私たちは、人との関係性の中でこそ、自分自身を磨くことができます。誰かと心の距離を縮めたいと思ったとき、まず自分から一歩踏み出してみる。その一歩が、相手の心にもそっと扉を開かせることになるのでないでしょうか。


【小さな実践】
あなたの中にある「ちょっとした秘密」それをほんの少し、誰かに開いてみたらどうなるか。
・自分にとって、どんな気づきがあるだろうか
・相手との関係に、どんな変化が生まれるだろうか

秘密を共有することは、弱さの露呈ではなく――
新しい関係性への扉を開く、小さな勇気なのかもしれません。

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小橋広市(講師)

一般社団法人Self&Lifeコンディショニング協会

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