重い荷馬車も動くと軽い
あなたは、なんでもないような失敗をして「またやってしまった!」と情けなくなったことはありませんか。年齢を重ねて世の中のことをなんでも知っているつもりでも、とんでもない失敗を繰り返さないとは限りません。
私も若い頃は、クレジットカードで買い物しすぎて借金が膨れ上がったり、大型バイクで事故を起こしたりと、つまづきや失敗を何度も繰り返しました。苦い経験は、大なり小なり誰しもあるものです。ただ同じ失敗を繰り返し続けるのは、他者の影響でも偶然でもなく、自分自身が作り出している人生の脚本の中で繰り返されています。
人生脚本は、幼い頃に刷り込まれたエピソードやトラウマが基になって、私たちの人生ストーリーで繰り返されます。同じ誤ちを何度も繰り返す人もいれば、同じような流れで上手くいく人もいます。私も振り返ってみると、何かしら同じ脚本の中で相手役やシチュエーションを変えながら何度も再現していると感じることがあります。
何かのきっかけで自分がどんな脚本を繰り返しているのか気づくことができれば、負のスパイラル脚本を少しだけ軌道修正するチャンスが生まれます。気づけるタイミングに大きなターニングポイントがあります。例えば、大切な人とお別れしたり、会社をリストラされたり、大病を経験したり、自分にとってネガティブと思える衝撃的な出来事がターニングポイントになることがあります。
私自身も大病を経験した際、人生最大のピンチとチャンスを同時に与えられました。それまで身体に小さな変化はあったはずなのに気づくことなく過ごしていた結果です。このような出来事がポジティブ脚本に変わる人もいればネガティブ脚本のまま繰り返す人もいます。
どんな人にも公平に気づきも変化もあります。強い影響力を持つ人と出会ったり、引っ越しや転勤などで環境の変化を経験すると脚本の流れが変わります。もしあなたが同じようなことで失敗したりつまづいているのなら、自分自身や周りの小さな変化に気づくことが重要です。
小さな変化に気づくために、たとえば通勤や通学の往復路を変えて違う道を通ったり、本屋で普段と違うコーナーを見て衝撃的な本に出会ったりすることもあります。些細な変化でも構いません。いつもの行動パターンから一つだけ例外を作ってみると、視点や感情が変わります。
Y字路をイメージしてみて下さい。同じ方向に向かっていてある地点で左か右かを選ぶだけで、その先ではまったく違う人生が待っています。いつもなら右の道を選ぶけど、たまには左に行ってみようかと勇気を出して例外を作ってみませんか。自分の脚本を変える第一歩として、小さな変化を取り入れてみてください。
きっと新たな感情が湧いてくるはずです。