重い荷馬車も動くと軽い
今回は、8年前の今日の話。
その頃、お袋は寝たきりになった親父の介護をしていたと思う。私の方は、月2回、倉敷アイビースクエアでステンドグラス教室を開講していた。
2012年、夜、お袋から電話があった時のことを書いておこうと思う。
いやな予感がした。まさか親父が・・・ と思ったがそれは違った。
お袋の口から、私の悪友が逝ったことを聞いた。誰にも知らせず静かな家族葬だったそうだ。彼は重度の糖尿病だった。おまけにウツの傾向があり、少し前、彼の自宅から出火している。その火事は彼が原因だったと聞いている。
彼とは幼稚園からの付き合いで、良いことも悪いことも一緒にやった悪友だ。彼はここ10年くらい身体の状態が悪く、言葉もままならなかった。それでも毎年、正月に彼の自宅に遊び行くが、いつも私のひとり喋り。
そんな彼に聴きにくいことを聞いた。「君は何を生きがいにしているんだ?」と。その時の彼は、昔を思い出すように「想い出とともに生きている」と答えた。そう言えば私のひとり喋りはいつも二人共通の昔話だった。
この事件があった年の正月に、彼はこんなことを言っていた。「部屋を模様替えしたけど俺のセンスはどうかな?次は外壁も塗ろうと思っているので、その時は相談に乗ってよ」そう言っていた彼は家を燃やして先に逝った。
バカな奴・・・
そんな奴に悲しみをくれてやりたくなかった。今も悲しみは湧かない、ただ悔しいだけ、そして時々、想い出してやるだけでいい。
【小さな実践】
今日、伝えておくことは今日中に伝えておくこと