私が変われたビジュアルコーチング

小橋広市

小橋広市

テーマ:お客様の声

今回は、ある女性のエッセイを紹介します。

このエッセイは、月刊で発行されている機関誌の連載エッセイに掲載されたもので、適応障害の方の励みになればと、彼女がこのブログでの掲載を承諾してくれました。

踊り場

「変われる私」(2020年4月)


ビジュアルコーチングを通じて自身の変化について書きました。

2年前の4月、私は精神科の前にいました。50年近く、私がこんなことになるなんて想像もしませんでした。自分に対してもショックでしたが、一番先に湧き起こった感情は「怒られる」という母への恐怖です。

医師が言うには、私の抑えきれない涙の原因は「母」にあると言うのです。だから、母から離れないと私の大切な子どもたちにも影響がいくと。カウンセラーさんは、私が母にされていたしつけは、今では通報レベルの虐待だと教えてくれました。

数ヶ月間、母がいつ家に押しかけてくるのかと恐怖の毎日。電話線も切り、子ども達が帰ってくるまで電気もつけられません。

半年寝込んで、少し外に出れるようになった時に、本屋さんで『母という病』(著書:岡田尊司)に出会いました。とてもしんどい内容でしたが、私が「適応障害」になった理由がよくわかりました。

50年近く、母に支配されてきたんです。私のすべてのことの決定権は母にあったので、私は私自身のことが決められない。全く気がつきませんでした。そして、私も子ども達に同じ「しつけ」をしてきて苦しめていたことに気がつきました。

私は「ダメな母親だった」と自分を責め、自分の存在自身も責めました。そんな時に「アンガーマネイジメント」のセミナーを見つけて、そこで「子育てのためのビジュアルコーチング」をしている小橋広市先生と出会います。

先生と話をする中で、私は「変われるかも」「成長できるかも」と強く思いました。少しビジュアルコーチングを紹介します。

自己啓発や認知行動療法を学んだときは目からウロコでも、具体的に応用するのは難しいし、スキルを習慣にするのも難しいものです。

ビジュアルコーチングの特徴は、五感を使って学んだことを自分の体験など具体的な事例で応用できる方法と、それを継続できる習慣のスキルも学べるところです。これは、子どもから大人まで誰でもできるものです。

私は、自分の苦しい気持ちや自己否定しているところを打ち明けて、それを先生と一緒に考えてもらいました。私は、今までダメだと思っていたクセや性格・習慣は、自分を守ってきてくれたものと受け止めることから始めました。

そして、何歳になっても自分に強い気持ちがあれば変われるし、自分が変われば周りも変わってくることを知りました。変わろうとする私を、暖かく包んで支えてくれたのは、私から虐待を受けていたかもかもしれない子ども達でした。

自分のことを知り相手のことも知って、お互いを大切にする方法を勉強して、生まれて初めて自分のことが「好きだ」と言う感覚に出会いました。

そして、自分を大切にすることは、大切な人を大切にすることになるし、逆に、自分を大切にできてなければ大切な人を大切にできないことに気づきます。

今になって、母も「母という病」になっていたのかもしれないと思います。私は、ビジュアルコーチングによって、負の連鎖を止めることができました。今は無理でも、いつか母に会って産んでくれたことを感謝する日が来たらいいなと思います。

死にたいほどしんどい時期もありましたが、「適応障害」になって、ずっと走っていた道を立ち止まって見つめ直すことができて、私はラッキーでした。


これからも、たくさん壁にぶつかるかもしれません。でも、今まで乗り越えてこれたし、また立ち止まることがあっても、前の私よりかは今の私はきっと前に進むことができると思っています。

私らしく生きていきたい。 これまで支えてくれて一緒に乗り越えてきてくれた全ての皆さんに、心から感謝します。



以上がM・Kさん(女性)のエッセイでした。



私がまだアンガーマネジメント協会に所属している頃、アンガーマネジメントキッズインストラクター養成講座の受講生として来てくれたのが彼女。その時は、とても前向きな女性というのが第一印象でしたね。

後に彼女から聴いたのですが、受講した当時は外出したり、電車に乗るだけでも、とても勇気が必要で、何度も挫けそうになったそうです。

彼女がビジュアルコーチング体験講座に参加してくれた頃は、自分の話しをする度に泣いていました。そんな中でも元の職場でのリスタートは彼女の当面のゴール。

人間関係でウツ状態になり休職した私も経験しているので、元の職場からリスタートすることがどれほど勇気がいることかよく理解しているつもりです。

そんな状態だった彼女がなんと4月から元の職場に復職することが決まりました(^o^)

もちろん嬉しいのですが、ホントの気持ちは我が子が初めての航海にひとりで船出するようような、ちょっぴり心配と期待とワクワク感が複雑に入り混じったような不思議な感覚。

今後、彼女に新たな変化があったとしても、寺子屋コミュの勉強会には、これからも仕事が許す限り来てくれるようなのでお互いに切磋琢磨できそうです。


「五感を刺激するビジュアルコーチングプログラム」



【小さな実践】
学んだスキルは自分に合うようにマイナーチェンジして実践し、応用し、それを無意識にできるまで継続してこそ意味があるものになる


 

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小橋広市(講師)

一般社団法人Self&Lifeコンディショニング協会

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