住環境と家族の生活習慣 3

小橋広市

小橋広市

テーマ:住環境習慣コンディショニング

今回は、これからの住宅事情を少しだけ話たいと思います。
私が幼い頃の住宅と現代ではかなり変容しています。家族形態や生活習慣が変わっていますからね。

昔の私の実家には玄関がなく入口を入ったら土間で、そこには煮炊きをする「おくどさん」があり、二間続きの和室があり、その南側には縁側がありました。

今は消滅してしまった空間といえば「囲炉裏」「土間」「縁側」「客間」でしょうか。近頃は「和室」も無くなりつつあります。

私たちにとっての「住まい」とは、「子育て」「安息する」という大切な用途があり、その上で「コミュニケーション」「仕事」という家族のカタチがあります。

これから先、どのように変化するのか、もしかしたら都会では欧米のようにホームパーティが増えてくるかもしれません。一方、高齢化による介護のことも頭に入れておく必要がありますよね。

リアルに将来を見据えて考えると、これからは家族のカタチも住まいも可変性を考え、子育てはもちろん、高齢になっても使いやすい間取りの必要性が出てきます。

そしてパブリックスペースとブライベートスペースが明確に分離されている間取り。子育てスペースは、子どもの自立の準備として当然、可変性を考慮した間取りになります。

庭付きの家

住宅性能


ここ10年くらいで、給湯設備や窓の性能が大きく変わり、さらに進化してくるのが、省エネ。もっと自然エネルギー利用が増えてくることが考えられます。

同時に自然災害に対応した地盤改良、建物の免震、耐震性、通信システム、維持メンテなども進化してくることが予想されます。

一方で高気密高断熱については、今以上の大きな変化はないように思います。ただ、高気密については日本の風土を考えると、気密性が高いだけが良いとは限りません。

「風通しが良い」というように、建物は機能性や衛生面を考えるとある程度、窓を開けて風を通すことが必要になってきます。

窓を開放した時に淀みなく各部屋を風が通るような間取りと、開口部の配置を計算して計画してなければいけません。風通しを考慮せず、高気密だけを売りにした建物は健康的とは言えません。

これからの住まいは、一昔前のようにデザインのみを重視し、耐久性、耐震性、居住性、家族の変化を無視した建物は、どんどん淘汰されていくでしょうね。


あなたにも気付きがありますように


下記に参考になる記事のリンクを貼っておきます。

「未完成を作ることで新築ブルーを回避」
新築に未完成を残す勇気

「人80%モノ20%」
モノを住まわせるために高いお金を使う

 

【小さな実践】
建物を計画する際、将来を見据えた可変性をどこに設けるかは家族のカタチと生活習慣による


 

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小橋広市
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小橋広市(講師)

一般社団法人Self&Lifeコンディショニング協会

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