出口が見えない認知症のトンネル入った日
「遠距離認知症介護者の日記」のテーマの記事は、お袋が認知症になった初期の頃を記録として残すためにアップしています。
ここから2015年10月13日の話
「お袋の認知症日記」もお袋の症状に慣れたせいか、特にハプニングもなく時が流れています。 そんな状況の中で、先日、実家に帰った際、お袋がいつも口にするのは、ヘルパーは皆んな嫌い」とか、「もう来てほしくない」という内容の会話ばかり。
ヘルパーさんが残した日誌をみても、「来るなと言われた」とか「早く帰れ」という
内容ばかりで、家族が読んで気持ちの良いものではありません。 何故、嫌いなのか、お袋にたずねても生理的に嫌いと言うばかり。
私が実家に帰っている時に、日にちを間違えて来たヘルパーさんと会う機会がありました。そのヘルパーさんとお袋の会話を見ていると、二人とも仏頂面で事務的に話しているのです。
お袋は「あなたのことは嫌い」という表情でヘルパーさんと接し、ヘルパーさんもお袋の仏頂面を見ながら話しているので、双方に表情と感情が伝染しています。
これは一般的な「コミュニケーションの構造」ですが、認知症の場合は取り繕えないので、このコミュニケーションループが顕著に出ています。
ヘルパーさんによっては、気の合う方もいます。お袋に聴いてみるとそのヘルパーさんはいつも面白いことを言って笑わせてくれるから好きだと言っています。
認知症になると、人の表情に敏感になり、子どものように素直になります。 一口に認知症と言っても、人によって違うので一概には言えないところですけどね。
お袋が認知症になって間がない頃、お袋の言うことを全身全霊で聴けば良いと思っていましたが、それはある意味、私の思い込みでした。
認知症になったお袋にとって、最も大切なことは、話しを聴くことではなくて彼女が言ったことに笑顔で反応してあげることでした。
何故なら、人がコミュニケーションをとる際、言葉から入ってくる印象より、声の大きさや表情、所作などで得る印象の方が遥かに大きいのです。それは認知症の方も同じです。
介護のプロの方でも、そのような基本的なことを理解していない方もいるということを利用者側も認識しておく必要があります。
あなたにも気付きがありますように
【小さな実践】
自分の感情に正直に相手からも感情が帰ってくる