記憶のカタチが小さくなる時
認知症のお袋の今
現在、お袋は特養の施設に入居しています。認知症デビューした時に比べたら、忘れること以外は認知症になる前の性格に、ほぼ戻っています。表情も笑顔が増えて健康的になりました。
先はどうなるか分かりませんが、おそらく特養の環境とスタッフさんの接し方のおかげだと思っています。
認知症の方は、他者の感情に敏感なので、家族が観ていなくても、本人と接することで必ず変化が解ります。もちろん、変化を確認するには本人と家族の面会を多くとる方が良いのですが、それぞれの家族で事情がありますからね。
初動の失敗
お袋が認知症と診断された頃、私は次のような失敗をしました。これを把握しておれば進行を遅らせることもできたし、潜在意識に嫌な感情を残すこともなかったでしょう。それはこれらの3つです。
・正しさにこだわった
・人生観をこわした
・感情を無視した
どういうことかと言うと、
本人にとっては、出来事や言っていることが正しいかどうかは二の次で、自分が安心で快適かどうかが重要です。例え間違っていても本人が困らないことを訂正する必要性はありません。
本人が今まで過ごした人生観を、こちらの概念にこだわって否定するより、受け入れてあげることの方が重要です。
認知症になったとしても、脳の生存本能的な感情は最後まで残ります。当然、相手の感情の変化や表情の読み取りにも敏感になっています。
減らすほど楽ちん
【正すことを減らす】
認知症の方に家族が間違いをいくら丁寧に教えても、時間が経つときれいに忘れます。それどころか家族が何度も丁寧に教えれば教えるほど、何度言っても解ってもらえないとストレスが溜まるだけです。
どうせ忘れるのだからと、割り切って簡単に伝える程度の方が家族にとっては楽ちんです。これに対して罪悪感を感じる必要はありません。
【家族の負担を減らす】
しっかり面倒を観なければいけないと抱え込んだり、罪悪感を感じるより、周りから助けてくれる人や情報を集めるのが家族の役割りです。家族が負担を減らして、双方の笑顔を増やす方が本人にとっては幸せです。
この続きは次回に
あなたにも気付きがありますように
【小さな実践】
家族の負担を減らすことと、認知症患者本人を安心で快適にすることが双方にとって大切なことだと認識する