認知症のお袋の潜在意識と会話する

小橋広市

小橋広市

テーマ:認知症介護者の憂鬱

「遠距離認知症介護者の日記」のテーマの記事は、お袋が認知症になった初期の頃を記録として残すためにアップしています。

街のベンチ

ここから2014年9月9日の話


昨日は、お袋のケアの見直しでデイケアの職員、ケアマネジャー、ヘルパーさんとで午後から会議。

一週間に一度、デイケアに行くことになったが、お袋としては、かなりショックを受けている様子で「行かされる」とか「死んだほうがええ」という言葉が頻繁に出るようになった。

ケアマネジャーとの話し合いで、要介護2の申請をする手前の段階に来ているのでデイケアに通いながら様子をみるとのこと。

この件が原因かどうか不明だが、昨夜は、ひと騒動あった。猫は部屋にいるのに、お袋は庭の方で鈴を鳴らしながら猫を探していた。

いつの間にか、お袋がいなくなったので慌てて近所を探しまわり、もしやと思い自宅に帰ったところ、お袋は上機嫌で猫と遊んでいた(笑) 

デイケアに行く不安感で、精神のバランスが崩れたのかもしれないとひとり納得した。


今朝は比較的、落ち着いている。外が明るかったら動揺することはないが、夜になると不安を感じるようだ。無理もない、私でさえ大きな変化には不安があるのだから。

考えてみると、お袋の記憶のところどころは、今もしっかりしているというように思えてきた。さて、今回は、私が全て料理をした。実家で料理するのは妙な気分だが、お袋が喜んでくれるのでやりがいがある。

ここから現在


お袋が認知症になる前は、長年、実家で料理を作ったことがなかったが、この日に中学生以来、初めて料理をした。使い慣れない調理器具や食器ばかりで、京都の自宅で作るより時間がかかった。

しかし、食べてくれる人がいるのが、これほど張り合いがあるものかと、改めて感じた。この日から4年後の今、もうお袋に料理を作ることはない。実家に帰っても誰もいない部屋に居ると、虚しくて料理を作る気もおこらずインスタントばかり。


今はお袋に料理を作ることはできないが、特養に会いにいくと顔をしわくちゃにして喜んでくれる。だからこれからも大切な時間を刻みたい。



【小さな実践】
親が元気な時に自分のルーツを聞き出し、それをしっかりとココロに刻んでおく


 

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小橋広市(講師)

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