あなたが入れる怒りスイッチ
好き嫌い
私たちが初対面で「好き・嫌い」を判断する際には、脳の内側で情動を司っている辺縁系の扁桃体という器官が関係しています。その扁桃体が情動などの刺激を海馬に送っています。
扁桃体で生まれる情動には理性的な理由がありません。入ってきた情報が瞬間的に「好き・嫌い」の感情が芽生えます。つまり、「なぜ好きなのか」「なぜ嫌いなのか」には明確な理由はなく、無意識化の感情です。
「無意識化の感情」というのを次の記事でお伝えしています。
例えば、
恋愛中の彼女が、「私のどこが好きなの?」と彼氏に聞いたとしても、最初の段階では、脳が無意識化で判断して好きになっているので、「◯◯のところが好きだよ」と彼氏が言ったとしても、それは後で理由付けをしているだけです。
逆に別れ話で、彼女が「別れたい・・」と言い出し、彼氏が「俺のどこが嫌になったの?」と聞いた際、彼女が「自由になりたいから」と言ったとしても、本能的に嫌いになっているので、そこに理性的な理由はありません。
こういう脳のクセが解っていれば「どこが嫌いなの?」と野暮なことを聞くこともないし、別れる理由に納得がいかず、理不尽な思いから憎しみに変わって事件になることもないでしょう。そもそも納得できる明確な理由がありませんからね。
私も経験がありますが、彼女から別れる理由を聞いて、それを努力で改善できたとしても、結局は別れることになります。それは彼女が理由を後付しているので、改善しても本能的な部分まで変えられないので復縁は無理でした。
この仕組を理解していれば、別れ話も寛容になれるはずです。とは言え、恋愛を上書き保存して次に進む女性と違って、ノートに書いて後でめくって見る男性の場合は、ネチネチと復縁を期待したりしますもんね。
「好き!」(本能) →「理由は◯◯」(理性で後づけ)
これは人だけではなく、モノも同じです。
ビジネスに活かす
私もよく衝動買いをしますが、この「衝動」も脳の内側の辺縁系(扁桃体)から瞬間的に「欲しい!」という感情が湧き、購入した後で脳の外側の大脳新皮質が理由付けをして買ったことを正当化します。
これをビジネスに活かすとしたら、お客様が商品を見た時に感情が動くような見せ方やプレゼンをする。スティーブ・ジョブズ氏のプレゼンは、彼の理念や、商品の特別感をイメージできる、まさにユーザーの感情を揺さぶるプレゼンでしたね。
参考になれば幸いです。
下記に参考になる記事のリンクを貼っておきます。
◇「夢から冷める衝動買い」
衝動買いしたダイヤモンドのゆくえ
◇「衝動買いは爬虫類脳のしわざ」
衝動買いする際、トリガーになる言葉
【小さな実践】
あなたが感情を揺さぶる商品を作るとしたら、「なぜ作っているのか」「誰のためにどのような商品を作りたいか」を理念として考えてみる