認知症という新たな個性との出会い
「遠距離認知症介護者の日記」のテーマの記事は、お袋が認知症になった初期の頃を記録として残すためにアップしています。
ここから2014年2月25日の話
いつものようにお袋に電話すると・・
「あんたに聴きたいことがあるんじゃけど・・」と怪訝な声で私に問いかけてきた。
何を言うのかと思えば、
「あんた35万も借金をしてから、私は心配で頭がいてぇ」と言われて、私は何のことが分からないまま、「心配せんでええよ。借金なんかしてへんから」と答え、お袋を落ち着かせ、この話題を「保留」にした。
もちろん借金はないが、もしかすると私が若い頃、借金で車を買った時のことを思い出しているのかも知れない。 だとしたら、その頃は気が付かなかったが、お袋にしてみれば、若い頃の私の行動や考え方が、相当なストレスとして心に残っていたのだろう。
こんな出来事も、他者から観ると不可解な言動かも知れないが、お袋なりにちゃんとした理由があるだけに辛いものがある。
お袋の言動に少し慣れたと思うと、日々、変容していくのでこちらが追いつかない。身体は正直なもので、ここ数日の私の血圧は右肩上がり。
お袋が認知症じゃない頃は、近所の人や友達がよく訪れる家だった。病気を察っした途端、誰も来なくなった。これなら、始めから隣の住人の顔も知らない都会暮らしの方がマシに思えて悲しくなる。
それほど「認知症」という病気は特別なものだろうか・・・
【小さな実践】
認知症はただ忘れるという病気ではなく、自分の人生の軌跡を生きながら失っていくこと。このように考えた時、あなたならどのように認知症の方と向き合うのかをイメージしてみる