その資格死んでませんか?
私が京都で初めて設計をさせてもらった祗園の商業ビル。今でも初心に帰りたい時や大切な人のおもてなしに使わせてもらっている。そのオーナーさんの店に行くと開業した当時を、昨日のことのように思い出します。
専門性との出会い
このビルを設計した当時、私はまだ恩師の設計事務所に勤めていました。その後、独立して建築設計事務所を開業した頃のことです。
開業する際、勤務していた所長からの紹介で最初の仕事は取れましたが、後は鳴かず飛ばず。京都には私より実績も能力も優秀な建築家は山ほどいましたからね。
独立間もない頃は、設計事務所がやりたがらないリフォーム工事の設計ばかりやってました。それも下請け仕事です。その時に閃いたんです。京都は狭小敷地が多いので
狭小住宅専門の設計を得意とすれば、今なら強豪はいないと思ったわけです。
今でこそ、狭小住宅専門のデザイナーは多くなりましたが、当時は大工さんや小規模の工務店がやる仕事でした。なので、狭小住宅空間デザイナーというだけで十分、エッジが立ってました。
狭小住宅の設計は一見地味ですが、ちょっと視点を変えただけで競合がいないオンリーワンの世界でした。
狭小住宅は面倒でも儲かるとなればすぐに競合が多くなります。しかし、すでにその分野で長くやっているとノウハウがあるし、ファンのお客様がいるので価格競争に巻き込まれることもなくブランド化できました。
弱点は強みのヒント
一見、弱点に観えることは視点を変えれば強みにもなります。狭小住宅の閃きも、設計したビルのオーナーさんの、お客様に対しての拘りがヒントになりました。
人が多いところには、すぐに食べれる熟した果実が実っています。しかし、いずれ果実はなくなります。競合他社が多いところは、今のところ需要はありますが必ず衰退期になります。それより人がいないところ、つまり他社がやりたくない事の中に、将来、熟れる果実の種があるものです。
【小さな実践】
自分の弱点と思うものをすべてノートに書き出し、その弱点の対局にあるものを掘り起こして強みや得意なことを見つける