打合せ時の遠慮はろくなことにならない
新築・リフォーム計画
あなたがもし家族が住む家づくりを計画したら、最初の一歩はどんなことをしますか?
一般的には、
住宅展示場に家族で出かける
気になるインテリアの本を買って参考にする
新築した友人宅にお邪魔して参考にする
家づくりセミナーに参加する
ハウスメーカーや工務店の無料相談に行く
家族で理想の暮らしを語り合う
こんなことから始めるでしょう。そして、お金も土地も施工会社も設計事務所の準備も整って、さぁ、いよいよプランの打合せが始まります。家族の代表はご主人か奥様、もしくはご夫婦で専門家とプランづくりです。
専門家は、敷地の状況、法規制などをチェックし、家族構成や家族の状態、条件などを考慮しながらプランづくりをします。部屋数や広さ、間取り、仕様、デザイン、敷地との関係性数えればキリがないほど打合せ事項がありますが、お客様はワクワク感の中で、専門家主導でどんどんプランは進んでいきます。
もちろん、着工しても、要所で打合せがありますが、殆ど施工側主導で工事が進むので、後々、それは言ったはずとか、そんなことは聞いてなかったとか、双方の間で思い込みや食い違いが出てきます。双方のイメージのズレで意外に多いのが、打合せ中の専門家の決まり文句。
「普通はこのやり方です」
この「普通は◯◯です」を心理学的に言うと「一般化」と言います。「普通は」を掘り下げていくと、何が普通なのか、どんなところが普通なのか、日本中の人たちにとって普通なのか、ということになります。これは専門家都合の「普通」なのです。
家づくりのヒント
プランの打合せで、専門家が理解できないお客様の言葉があります。それは何かと言うと、「やすらぐ」「集える」「ゆったり」「楽める」「寛ぐ」「団欒」これらは、お客様の五感から出る言葉です。
普段、お客様の潜在意識にある大切にしている言葉で、家族の価値観や想いを含んでいます。しかし、掘り下げて聞いてみると、お客様の個々の体験や環境、習慣、家族構成などで家族全員が共通ではありません。
多少、打合せに時間が掛かるかもしれませんが、これらの言葉がなぜお客様から出たのか時間をかけて掘り下げる必要があります。五感から出る言葉は、抽象的でありきたりかもしれませんが、もしかしてお客様が幼い時に抱いた理想の空間だった可能性があります。
建築専門家は、建物をつくって終わりではなく、お客様家族の人生の一端を創る大切なお仕事ですから、お客様の情報をもっと吸い上げる努力が必要ではないでしょうか。
【小さな実践】
家づくりを考える時、家族の個々の習慣と価値観を引き出す