ビジュアルコーチングの完成形は住環境と人間関係
昔から、私は本番に弱いと思っていたのですが、できるだけ不安を煽って本番に望むと意外なほどに上手くいくのです。よく緊張しないようにと言われますが、私の場合は少し緊張感があった方が良さそうです。本番に強い?弱い?アスリートをみていると実力があるのに本番では、何かの原因で普段の実力の半分も力を発揮できないことがあります。
ここで、私が経験したトラウマ事件をお話しましょう。阪神淡路大震災の後、ハウスメーカーが主催するイベントで「建物と家具」をテーマにして講演した時のことです。耐震は私にとって得意な内容でしたから自信満々での登壇。そのはずでした・・・
その講演は時間が長いので、途中に質問の時間を設けていました。参加者の一人から出た質問の内容が、「主催のハウスメーカーの建物が倒壊して両親が亡くなったのに補償をしてくれない」という内容でした。このような予想外の質問がくると思っていないので、参加者の方が望んでいる回答をすることはできないし、私が答えるべきことではありません。私はその質問で頭が真っ白になり、後半の講演は質問のことが気になり、何を話したのか覚えていません。
そんなことがあってしばらくして、有名な先生の講演があり、先生の本にサインを頂くときに、私はこんな質問をしました。「講演で緊張することがありますか?」 先生の回答はこうでした。「適度な緊張感を皆さんと楽しみながら場を感じるようにしています」想像もしていない回答だったので、私はただ「はい!」と言えただけです。「場を感じる」??
それから数年経って、突然、ある本を読んでいる時に気付きがありました。その本は、中土井僚氏が翻訳した「U理論」という本です。私なりの解釈ですが、自分の固定観念や概念を、自分の枠の外に置いて、一旦、保留すると観えてくるものがあるということ。この本の意味は、私の気付きとは違いますが、これがヒントになりました。
私の気付きは「仮想幽体離脱」です。自分自身を俯瞰して観えるようになるまでイメージしました。後にこれがNLPのスキルの中にあることが分かりました。NLPの用語の中に、アソシエイトとディソシエイトという2つの物事の捉え方があり、アソシエイトは、物事を主観的に捉えている状態。一方、ディソシエイトは、物事を客観的に捉えている状態です。
このような捉え方のトレーニングは、嬉しいことや楽しいことを思い出す時にはアソシエイト(主観的)でイメージし、辛いことや苦しいことを思い出す時にはディソシエイト(客観的)でイメージするようにしてみて下さい。
このトレーニングを、あなたの子どもにビジュアルコーチングで行なってあげると、物事の捉え方として、楽しさを倍増させ、苦しさを軽減できるようになります。子どもは好奇心旺盛なので驚くほど吸収してくれるはずです。
【小さな実践】
過去のことを思い出しながら話す時、ディソシエイト(客観的)にその出来事を話してみる。
一方、その過去を再体験するかのように五感を使ってアソシエイト(主観的)に話してみる。
それぞれの時に出てくる身体や意識の反応を体感してみる