お客様に見えないコスト 1
昨日までは雨が降っていたので少し腰痛がありました。若い頃は病気ひとつしたことがない健康優良児だったのが、年齢を重ねてくると持病がいくつかあります。腰痛が出るのが決まって実家に帰って炊事をしている時。
私の腰痛の原因は、「流し台の高さ」です。自宅と実家の流し台の高さが、お袋の体型に合わせているので5cmほど実家の方が低いのです。電動で高さが変わるものもありますが、流し台の標準的な高さは85cm。どこのメーカーも80・85・90cmと三種類は揃えています。流し台の高さを選定するときに【 身長÷2+5cm 】という公式がカタログなどに書かれています。これは人間工学に基づいた高さ目安としての公式ですが、誰にでも当てはまるわけではありません。
高齢になると腰も曲がるし、長年の生活習慣から低い高さに慣れているのに、体型を基準に流し台の高さを合わせると腰痛になることがあります。わずか、まな板一枚の高さの違いでも身体には負担になります。流し台廻りの作業だけでも「食器洗い」「煮炊き」「食材カット」と、これらは全て人間工学に基づいた理想の高さがあります。
住まいは、生活習慣に合わせた高さ、広さに加えて質感、色彩、換気など、これらは誰がどのように使用するかで求めるものが違ってきます。高齢者は若い人ほど順応性がありません。長年暮らしていた家から新しい家に入居した際、住まいに身体を合わせることが負担になるので、新居に移って高齢者の体調が悪くなるのも無理はありません。新築やリフォームは、計画時に家族の生活習慣を考慮していないと、心身ともに病気になることがありますから気を付けて下さいね。
【小さな実践】
新居に悪習慣を持ち込まないように、計画時に家族の悪習慣を書き出しておく